ニコ・ロズベルグは元チームメイトであるルイス・ハミルトンについて、彼はレーシングドライバーとしてのピークを過ぎており、現在F1における最高のドライバーはマックス・フェルスタッペンであるとの考えを示したが、ハミルトンはそれに反論した。
ロズベルグは、ハンガリーGPの予選でフェルスタッペンがポールポジションを獲得した後に、YouTubeのビデオブログで彼の考えを披露した。
2016年のF1世界チャンピオンであるロズベルグは、若く、経験を積みつつあるフェルスタッペンが、今ではハミルトンが持つ才能と経験をしのいでいるとの考えを強調した。
「レーシングドライバーの最盛期は30歳、31歳、32歳くらいだ」とロズベルグは合理的な意見を述べた。
「年を重ねると、反応するスピードなどすべての面において、能力は少しずつ衰えていく。でも経験も大きく物を言う。少し年をとって人間としての生来の能力が多少衰えても、経験でカバーできる」
苛立ちを見せたハミルトンは、予想どおり元ライバルからの興味深いコメントを退けたが、そのコメント自体に対してというよりも、コメントした者に対する反発を示した。
「そのビデオブログは見たことがない。誰がフォローしているのかも知らない。でもそれは僕がやっているいかなることにも関係がない」とハンガリーGPでキャリア通算81勝目を飾った後でハミルトンは語った。
「僕は気にしないよ。誰もがそれぞれの意見を持っている。彼が正しかろうが間違っていようが、僕はまったく気にしない」
「長年にわたって僕が出してきた結果の集計を見るべきだ。それがすべてを物語っている」
「僕のような成功を収めていない人々は、当然ながら結果を見下したがるだろうね。でも別にかまわない」
その後ハミルトンは、かつて読んだことのあるドン・ミゲル・ルイスのベストセラー本、『四つの約束』について言及した。この本はメキシコ南部の先住民である古代トルテック族の知恵についての考えをもとに書かれたものだ。
「とても素晴らしい本を読んだ。たしか『四つの約束』という題名だと思う。その本には、何事も個人的に捉えないようにと書かれた部分がある。誰かが自分に対して何かを言ってきたとき、実際にはそれは自分についてのことではない。それは彼らが彼ら自身についてどう感じているかということの表れなんだ」
「僕は34歳だけど、かつてないほどに優れたドライビングができていると思う。少しもスピードが衰えていないということを、今日証明できたんじゃないかな」
「予選は常に素晴らしい結果になるわけではない。それでも前へ進まなければならない。レースも常に素晴らしい結果が出るわけではない。前戦(ドイツGP)は最悪だった」
「でも、そのことは忘れて真っ直ぐに進んで行くんだ。過去についてできることは何もない。できることは将来を形作ることだけだ」
「正直なところ、今はこれ以上ないほどに誇りを感じている。結局のところ、人は自分を誇りに思いたいんだ。今日の走りについて、自分をとても誇らしく思う。なぜならいつも望んでいるようなやり方でドライビングできたし、僕たちはこうしてチームとして結果を出したんだ」
持ち合わせる能力が年とともに衰えていくという可能性に関係なく、ハミルトンは近い将来に引退する計画はないと主張した。
「いつかは、やめなければならないだろう」とハミルトンは付け加えた。
「でも今の時点では、身体面と精神面において、とてもいい状態だと感じている。だから近い将来にレースをやめる計画なんて今は持っていない。もっとやるべきことがあるし、もっと勝ちたい」
「マシンの内外で達成すべきことがさらにある。F1のなかでも、F1以外の世界でもね」