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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ライオン・キング』

2019年08月09日 20:21  リアルサウンド

リアルサウンド

『ライオン・キング』(c)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、ビヨンセの来日公演を夢見る若田が『ライオン・キング』をプッシュします。


 『ダンボ』『アラジン』、そして『ライオン・キング』と、ディズニー実写作品が豊作の今年。来年以降も『ムーラン』『ジャングル・クルーズ』、そして『リトル・マーメイド』などが続いていきますが、やはり往年の名曲をいくつも生み出してきたディズニー映画。その音楽にも注目が集まります。


 『ダンボ』にはコリン・ファレル、『アラジン』にはウィル・スミスとスターが出演してきましたが、『ライオン・キング』はフル3DCGであり、人間は出てきません。動物たちに息を吹き込むメインキャストはドナルド・グローヴァーとビヨンセ! チャイルディッシュ・ガンビーノの名で音楽活動をしてきたドナルド・グローヴァーと、世界一のディーヴァ、ビヨンセは、ともにグラミー賞受賞経験があり、特にこの数年、それぞれにアメリカのエンターテインメント界に大きな衝撃を与えてきました。さらに、「愛を感じて」「サークル・オブ・ライフ」という1994年のアニメ版の楽曲に加え、もう間もなく日本でも伝記映画『ロケットマン』も公開されるエルトン・ジョンと作詞家ティム・ライスの新曲「ネヴァー・トゥー・レイト」、ビヨンセの新曲「スピリット」、ファレル・ウィリアムスがプロデュースした楽曲も加わるなど、とにかく音楽面の力に入れっぷりとその完成度がすごいのです。トップ・オブ・トップ揃いの本作では、まさに夢の共演が叶いました。


 ちなみにビヨンセは、本作にインスパイアされたアルバム『ライオン・キング:ザ・ギフト』を7月に発表しています。映画へのトリビュートとアフリカン・ミュージックへの敬意を称えた「アフリカへのラブ・レター」を意味したもので、ドナルド・グローヴァー、ファレル・ウィリアムスに加え、ケンドリック・ラマー、夫のジェイ・Z、そして長女ブルー・アイヴィーちゃん(7歳)も参加しておりまして、こちらも必聴です。


 たとえば『アラジン』は、現代的なプリンセス像として、ジャスミンが自らの目指すものや能力を抑圧され、ジャファーと対立する描写があり、彼女が歌う「Speechless」もまさにそういった楽曲でした。その観点からすると、本作『ライオン・キング』は、3DCGならではの動物の毛並みや壮大な自然を再現しながらも、物語としては、原作に忠実に作り込んだ作品のように思いました。「自然界の命は大きな輪で繫がっている」や「個々の尊重と連帯」というテーマは楽曲からも伝わってきて、普遍的なメッセージとして響きます。そして、本作の人気キャラクターであるティモンとプンバァを演じるのは、ビリー・エイチュナーとセス・ローゲン。2匹のサバンナのはぐれ者たちが、いい味を出しておりまして、この夏は「ハクナ・マタタ」を聴いて、できるだけ陽気に過ごしたいです。


 さて、先の話ではありますが、米メディアでは、ビヨンセの歌う「スピリット」は、2020年の第92回アカデミー賞歌曲賞のノミネートが濃厚だと報じられています。一方、今後は映画版ミュージカル『キャッツ』の公開も控えております。こちらはテイラー・スウィフトと、ジェニファー・ハドソンも出演しており、注目度大。ビヨンセとジェニファー・ハドソンといえば『ドリームガールズ』の2人ということも胸熱ですし、去年のレディー・ガガに続き、オスカーをめぐるアメリカのディーヴァ対決に、期待が膨らみます。(リアルサウンド映画部)