トップへ

フォーミュラE:ハートレー、GEOXドラゴンと契約締結。2019/20年デビューへ

2019年08月09日 11:51  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

ジェオックス・ドラゴン加入が発表されたブレンドン・ハートレー。2019/2020年シーズンはトヨタでのWECプログラム、F1リザーブ兼シミュレータードライバーと多忙な日々を送ることになる。
元トロロッソ・ホンダF1ドライバー、ブレンドン・ハートレーのABBフォーミュラE選手権デビューが決定した。2度のWEC世界耐久選手権王者にしてル・マンウイナーでもある彼は、ジェオックス・ドラゴンと契約を結び2019/2020年シーズンからシリーズにフル参戦する。

 フル電動フォーミュラカーを用い世界の名だたる大都市や風光明媚な各地の市街地コースを転戦する、新時代のモータースポーツとして人気を博すフォーミュラE。

 シリーズは今年7月にニューヨークで行われた2018/19年シーズン最終戦後ストーブリーグ期間に突入し、これまでにアウディスポーツ・アプト・シェフラーがドライバーふたりの残留を発表したほか、アンドレ・ロッテラーがニューカマーのポルシェ・フォーミュラEチームへ移籍することが明らかになっている。

 ロッテラーと同じポルシェワークスドライバーであるハートレーもフォーミュラE参戦の噂は絶えず。開発テストに参加していたことから、一時はニール・ジャニとともにポルシェのデビューシーズンを任されるとの憶測も挙がっていた。しかし、前述のとおり、日本でも人気の高いドイツ人ドライバーが母国チームのシートを手中に収めたことで、彼の電動フォーミュラカーシリーズへの参加は不透明な状態となっていた。

 そんななか、ジェイ・ペンスキーがオーナーを務めるドラゴン・レーシングは8月8日、ハートレーを2019/20年シーズンを戦うレギュラードライバーとしてチームに迎え入れることを発表。耐久王者の力を借り、一度も表彰台に登れずシリーズランキング10位に終わった昨シーズンからの挽回を図る。

「我々とともにABBフォーミュラE選手権“シーズン6”を戦っていくふたつのエントリーのうちのひとつにブレンドン(・ハートレー)を迎えることができて、本当にうれしく思っている」と語るのは、ジェオックス・ドラゴンとペンスキー・オートスポーツのオーナー、ジェイ・ペンスキーだ。

「ブレンドンは本物のレーサーだ。これまでに彼のキャリアのなかで得た経験や知性、レースクラフトのユニークな組み合わせることで、新型パワートレイン“ペンスキーEV-4”を搭載したマシンの可能性を最大限に引き出すことができると信じている」

 また、2019/20年シーズンへのフル参戦が決定したハートレーも「ジェオックス・ドラゴンと一緒に新たな挑戦をすることができてうれしい」とコメント。

「僕はつねにストリートトラックのファンでありフォーミュラEは、僕が見てきたレースのなかでもっともワイルドに映っている。世界の最高のドライバーやメーカーとと戦えるエキサイティングな場所だよ」

「フォーミュラEはこれまで戦ってきたどのレースシリーズともまったく違うけれど、僕が持つ経験でそれをカバーできることを期待している」

「僕はエネルギーマネジメントをする必要がある多くのカテゴリーを経験しているから、ルーキーとしては有利なスタートを切ることができるはずだ」と自信をのぞかせたハートレーは、「すでにチームと協力し始めており、今後のシーズンでいくつかの良い成功を一緒に共有できると強く感じている」と付け加えた。

 フェラーリF1のシミュレーター担当兼同チームとアルファロメオF1のサードドライバーを務め、さらにWECではTOYOTA GAZOO Racingから2019/2020年シーズンにフル参戦することが決まったハートレー。多忙を極める“キウイ・レーサー”のフォーミュラEデビューシーズンに注目が集まるところだ。

 なお、2018/19シーズンはホセ-マリア・ロペスとマクシミリアン・ギュンターを起用したジェオックス・ドラゴンだが、今回のドライバー発表ではハートレーのみが明らかにされ、ふたり目についてはアナウンスされていない。