映画『ハリウッド1969 シャロン・テートの亡霊』が、8月30日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開される。
同作は、ロマン・ポランスキー監督の元妻で、当時、妊娠8か月の身重だった26歳の女優・シャロン・テートが1969年8月にカルト集団マンソン・ファミリーに惨殺された事件を題材にした作品。シャロン・テート役を演じたヒラリー・ダフは同作のエグゼクティブプロデューサーも務めている。原題は『The Haunting of Sharon Tate』。
ダニエル・ファランズ監督は、1968年8月に行なわれたテートへの霊能力的な体験を問うインタビューを見て製作を決意したという。今回の発表とあわせてメインビジュアル、予告編が公開された。
■ダニエル・ファランズ監督のコメント
多くのジェネレーションX世代がそうであるように、シャロン・テートの物語は私の人生を通じてずっと頭から離れることはありませんでした。そして皮肉なことに、私はシャロン・テートの赤ちゃんが、母親の命があのように無残に奪われることがなければこの世に誕生したであろう日に生まれました。おそらくその不思議な事実も一因となって、私はこの物語に不思議な親近感を抱いていたんだと思います。数年前、テート/ラビアンカ事件のドキュメンタリーを見ていて、また怒りと恐怖が沸いてきました。しかしストーリーのひとつの要素「もし・・・だったら?」が私の頭の中から離れなくなったのです。もしシャロンにあの夜奇跡が起こり惨劇を逃げ延びることができたとしたら? もし彼女が抵抗することができたとしたら?この考えは私の心の中で少しずつ大きくなり続けた頃、シャロンの殺害から約1年前の1968年8月に撮られたインタビューを見つけたのです。その記事の中で記者に「霊能力的な経験をしたことは?」と尋ねられている彼女の答えが奇妙だったのですが、おそらく間もなく彼女に降りかかる恐ろしい出来事を予知していたのかもしれません。彼女は、おそらく悪夢だったのだと思われるその出来事を、真夜中に不思議な音を聴いた、と述べていました。彼女の説明によると、目が覚めたら“怪しい小さな男”がドアにところに立っていたのだと説明していたのです。彼女はこの怪しい人影の後をリビング・ルームまでそっとついていくと、そこには彼女自身と彼女の友人であるジェイ・セブリング(のちに彼女と共に殺害されることになる)が、屋根の垂木にロープで首をくくられている姿を目撃したと言うのです。シャロンによれば、ふたりとも“喉を切り裂かれていた”そうです。このあまり知られていないインタビューが私の作品の発端となりました。