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「やりたいことが分からない人」は何からすべき? 自分に「させてあげたい」ことを考えてみよう

2019年08月08日 17:10  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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今日は、やりたいことを見つけるためのヒントについてお伝えします。私は以前、大学生の就職相談の仕事をしていました。「やりたいことがない」「好きなことが見つからない」と言う学生と話をしていると、よくよく話を聴くとやりたいことはあっても、普段、表現する機会が少ないんだなと感じることがよくありました。

一つ印象的だった相談があります。就職相談に来た女子学生から、開口一番「私は働きたくありません」と言われました。窓口に来てわざわざ「働きたくない」と伝えることは、なかなか勇気のいることだと思います。(文:ビジネスコーチ 駄田井 一孝)

女子大生の「私は働きたくない」が「やっぱり働きたい」に変わった理由


「そんな甘いことを言ってちゃ駄目だぞ」、「卒業したらどうするんだ?」と反論することも出来ましたが、そうはせず、彼女の話にじっくりと耳を傾けました。彼女は、「お金持ちと結婚して自分は家の中で過ごす生活をしたい」のだそうです。

彼女には彼女なりに、こんな風に過ごせたらいいなという理想がありましたので、私は「お金持ちと結婚する方法」を一緒に考えることにしました。もし、彼女が本気で望めば方法は見出せると思ったためです。

そうして話をしている内、彼女は方向転換をしました。「やっぱり私は働きたいです」と。

どうして働きたいと思ったのか尋ねると、「納税をしたい」、「親を喜ばせたい」という答えが返ってきました。働きたい理由が明確になりましたので、それでは一緒に就活しましょうと様々な準備をし、無事、希望に叶う企業に就職が決まりました。

彼女が自分にやらせてあげたいことは、「納税する」、「親を喜ばす」の2つでした。企業に就職することで彼女は、自分にやらせてあげたいことを実現しました。

「あなたがやりたいことは?」という質問にピンとこない人は、「自分にやらせてあげてみたいと思う事は何だろう?」、「どんな自分を生きさせてみたいのか?」と、質問を変えてみるのも一つの手です。

自分のやりたいことを肯定してくれる人に話すことも大事

「自分がこうしたいと思っていることを語る機会を持つ」ことも大切です。他人に話をすることで結果的に自分の声を自分で聴く事になるからです。

但し、人のやりたいことを否定する人には話さないでください。「あなたには無理」「向いていない」「出来っこない」その一言で本音は言えなくなります。ですので、伝える人は選びましょう。

妄想を聴いてくれる人、「それいいね!」と意見を肯定してくれる人、親身に話を聴いてくれる人、そんな人に、自分は自分にどんなことを望んでいそうか、話してみましょう。こんな理想があるとか、こんな所に行ってみたいとか、誰と会いたいとか、好きなことを仕事にしてみたいとか。自由に自分を語らせてあげます。

周囲に、自分が望んでいることを打ち明けてもいいと思える人がいない場合、やりたいことをすでにやっている人や、あなたが面白いと思う生き方をしている人に会いに行って話をしてみるのが効果的です。自分の道を進んでいる人は、誰かが進もうとするときに応援してくれます。

もし、自分にさせてあげたいことが何もない方は、させてあげたいことを見つけることから始めましょう。小さなことでも構いませんので、まずは探してみることが大事です。

【プロフィール】
駄田井一孝(だたいいっこう) ProLeader代表/ビジネスコーチ
ビジネスコーチング実践会
https://www.1pro-leader.com/
1977年大阪府堺市生まれ。秋田県立農業短期大学卒業後、モーグルスキー選手として活動。2001年の長野国体に大阪代表選手として出場。選手引退後、豊中市消防本部に入社。消防士在職中に、対話を通して人の行動と能力を引き出すコミュニケーションスキル、コーチングと出会いトレーニングを開始。2004年にビジネスコーチとして独立し、経営者・経営幹部・個人事業主を対象に個人面談を通して目標達成のサポートを行う。個人面談の延べ人数400人以上。「この選択でよし!この自分でよし!」と日々、自分の存在に力づけられながら、望んでいることを実現していくことをサポートしている。