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バサースト12時間、2020年からインターコンチネンタルGTチャレンジの競技規則を採用へ

2019年08月08日 15:11  AUTOSPORT web

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2019リキモリ・バサースト12時間レースに参戦したKCMGのニッサンGT-RニスモGT3
2020年もIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジのシーズン開幕戦として開催されるリキモリ・バサースト12時間レースは、SRO発国際シリーズのスポーティングレギュレーションに則り、同年のイベントより競技規則を改定する。テクニカルピットストップの導入やドライバーの最大運転時間を制限するレギュレーションが採用される見通しだ。

 オーストラリア最大級の耐久イベントとして知られるバサースト12時間。同イベントはこれまで独自のスポーティングレギュレーション下で行われてきた。

 しかし、2020年2月1~2日に開催される来季大会では、IGTCに含まれる他のイベントと合わせるかたちでレギュレーションが改定され、テクニカルピットストップルールやジョーカーストップ、ドライバーの最大スティントタイムが設定される。

 ロングディスタンスレースは、通常のルーティンピット作業に加えてレース中のブレーキ交換などを要する。そのためIGTCではレースを安全に行うため、強制的にメンテナンスタイムを設けこれをテクニカルピットストップルールとして運用している。

 先月、ベルギーで行われたトタル・スパ24時間レースでは5分間とされた同ルールだが、2020バサースト12時間ではスタートから11時間以内に最低4分間のピットストップを行わなければならないことになった。また、毎回のルーティンピットインに滞在時間が設定されるなかで、レース前半と後半の各1回は最低滞在時間以下でコース復帰が認められる“ジョーカー”を使用することも義務付けられるという。

 1スティントの連続運転時間は65分とされ、ドライバーは最低1時間の休憩時間を挟まない限り、2スティント以上の連続走行は不可能とされた。

 これに関する罰則は、超過時間が5分未満の場合はドライブスルーペナルティ。70分以上となった場合は30秒のストップ&ゴーペナルティとなる。今季第2戦カリフォルニア8時間から採用された同規定は、今月下旬に行われる鈴鹿10時間レースにも適用される予定だ。

 この他の規定改定には、ドライバーの冷却システムとTV/ライブ中継用の車載カメラシステムが車両の最低重量に組み込まれる点が盛り込まれている。

■Bクラス車両がポルシェ・カップカーからランボルギーニ・スーパートロフェオへ

 バサースト12時間はA、B、C、Iの計4クラスで形成されているが、2020年大会はこの内、Bクラスの指定車両を従来のポルシェ・カップカーからランボルギーニ・スーパートロフェオに置き換えられることになった。

 ランボルギーニ・スーパートロフェオはヨーロッパ、北米、アジアに地域シリーズを持つワンメイクシリーズで、その参戦車両にはランボルギーニ・ウラカン スーパートロフェオEvoを用いている。

 今回の指定切り替えによって、同モデルがオーストラリアで行われるIGTCのシリーズ戦に初めて参加できるようになった一方、FIA-GT3カーがトップカテゴリーを戦うようになった2011年以来、バサーストのグリッドに登場したポルシェ911 GT3カップカーは姿を消すことになる。

 この他のクラスでは、GT3カーで争われるAクラスにPro、Pro-Amに続きシルバーカップが追加されることが決定。CクラスはFIA-GT4車両が対象車両に変わりはなく、マルク・カーズ・オーストラリア製作のスペシャルカーも引き続きIクラスから出場可能だ。