Mスポーツ・フォードの一員として、2019年のWRC世界ラリー選手権を戦っているエルフィン・エバンスは、7月末のイベントで負った怪我が回復せず、8月22~25日に行われる第10戦ドイツも欠場することとなった。エバンスは第9戦フィンランドも欠場しており、2戦連続の不参戦となる。
エバンスは33号車フォード・フィエスタWRCでシリーズを戦い、これまで出走した8戦中6戦でトップ5フィニッシュ。そのうち2戦では総合3位表彰台も獲得している。
そのエバンスは、7月末にエストニアで行われたWRCプロモーショナルイベント『ラリー・エストニア』参戦中、ジャンプの着地で背中を痛めてしまい、医師の助言もあり、8月1~4日の第9戦フィンランドを欠場していた。
シーズン後半戦初戦となるラリー・フィンランドを欠場して療養に専念していたエバンスだが、医師による経過観察の結果、峠道や農道、荒れたコンクリート舗装の道など、トリッキーな路面が待ち受けるラリー・ドイチェランドを戦うのは不可能だと進言されたといい、2戦連続での欠場を余儀なくされた。
シリーズ1戦を欠場したにもかかわらず、依然としてドライバーズランキング4位につけるエバンスは「シーズンを戦うなかで一番重要なタイミングでの欠場には本当にフラストレーションが溜まる。だけど、まずは怪我を完治させることが何よりも重要だ」と悔しさをにじませた。
「すぐに戦いに戻ることが理想だったけど、現実的にはまだ時間が必要だ。だけど、ラリーに戻る時は100%のパフォーマンスを発揮できる状態になっているはずだよ」
「僕と(コドライバーの)スコット(マーティン)はシーズン序盤から手堅い戦いができていたと思っている。(復帰したら)シーズン前半戦と同じ走りができるよう、最大限に準備を進めていく」
Mスポーツ・フォードはエバンスの代役などについて、現時点では発表していないものの、近日中になんらかのアナウンスがなされる見込みだ。
【8月7日20時6分追記】
その後、Mスポーツ・フォードはプレスリリースを発行し、ラリー・フィンランドに続いて、ラリー・ドイチェランドでもガス・グリーンスミスを代役として起用することを発表した。
リリースのなかで、グリーンスミスは「他のみんなと同じように、僕もエルフィン(エバンス)の回復を心から願っている。彼の心境を思うと心が痛いけど、しっかり回復してもらいたい」と述べている。
「そして、チーム上層部がふたたび僕を信頼してくれたことを誇りに思うよ。ターマック(舗装路)路面は僕が得意とするものだし、ドイツでフォード・フィエスタWRCのパフォーマンスを引き出すことを楽しみにしている」