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Ms.OOJAのスタジオライブの裏側に潜入 本人コメントと共に熱量溢れるパフォーマンスを徹底レポ

2019年08月07日 12:21  リアルサウンド

リアルサウンド

Ms.OOJAスタジオライブの模様

 2019年6月某日、Ms.OOJAのニューアルバム『SHINE』の限定生産盤にパッケージされるDVD「Ms.OOJA Premium Live Session」の収録が行われた。スタジオに到着すると、すでにヘアメイクを終えたMs.OOJAがバンドメンバーと談笑中。今回このセッションに参加しているのは、黒田晃年(Gt)、山口寛雄(Ba)、notch(Per)、石田まり(Key)、DJ GOH(Manipulator)という、彼女の作品ではおなじみの顔ぶれだ。コントロールルームにいるレコーディングスタッフも、スタジオの中で撮影の準備をしているカメラクルーも、同じく”チームMs.OOJA”の面々。和気藹々とした空気の中で、着々と準備が進められていた。


参考:貫地谷しほり、真矢ミキ、近藤くみこ……今を生きる女性たちがMs.OOJAと紡いだ『Stories』


 今回収録されるのは、アルバム『SHINE』からの5曲と既発曲4曲。そっと寄り添ってくれるような優しさや、背中を押してくれるパワーが宿った“応援歌”をテーマにMs.OOJA自身が選んだものだ。それにしても、いきなり5曲も新曲をライブ収録してしまうとは。


「ね(笑)。私の作品もそうだけど、特典としてライブ映像を収録したり、MVやそのオフショットを収録したりっていうのはよくあるじゃないですか。それももちろん喜んでもらえていると思うし、ぜひ見てもらいたいものではあるんだけど、せっかくだったら思い切って新しい曲をやってもいいかなと思ったんですよね。耳で聴くのもいいけど、画を見ることでより一層伝わるものがあると思うから」(Ms.OOJA)


 新しい曲を作って、レコーディングをして、リハーサルを繰り返して体になじんだところでツアーに出る。普通はだいたいこんな感じだと思うが、今回の収録に当たって行われたリハーサルはたったの2回。しかも、気心知れた仲間同士とはいえ、このセッションのために集まったメンバーだ。それなのに、1曲目「海を見てる」のイントロが始まって驚いた。これはもう、完全にツアー初日のテンション! 歌える喜びにあふれていて、音楽を楽しむエネルギーが爆発していて、少しだけ大げさに言えば“この一瞬のために生きてきた”ぐらいのエモーショナルな空気が充満している。「Calling」、「My Song」と続いたゾーンでは、Ms.OOJAならではのパワフルなボーカルが炸裂。彼女の歌声がどれだけ迫力あるものなのか、一度でもライブを体験した人は分かるだろうが、こうして密閉されたスタジオで聴いているともう、立ち尽くすしかないほどのすごみがあった。


 ところで今回のこのライブセッションが行われているのは、いわゆるレコーディング用のスタジオだ。大きな鏡の前でバンドと一緒に音合わせをやっているようなシーンを目にすることがあると思うが、そういうリハーサルスタジオではなく、もちろん通常のコンサート会場でもなく、錚々たるアーティスト達が名盤を生み出してきたレコーディングの現場でのライブ。メンバーそれぞれがイヤモニに返ってくる最高の音を聴きながらプレイしているわけだが、だからと言って神経質にあれこれ注文をつけながら進めているわけではない。Ms.OOJAのパフォーマンスはどんどん大きく自由になっているし、というかむしろ「やっちゃえ!」感すら漂わせながらバンドを扇動しているようで、楽器チームのアクションも通常のライブさながらの激しさに。「You are Beautiful」、「I’m ALIVE」を演奏し終えたメンバーはみんな汗だくで、「これ、ちょっとヤバい(笑)」と楽しさを隠しきれない様子で水分補給へ(笑)。あの時立ち込めていた熱気は、間違いなく完成した映像からも伝わるはずだ。


 収録後半は、アコースティックギターを使用する「星と半分の月」、ウッドベースの「くもり ときどき 晴れ」、そしてスツールに座って歌唱する「Be…」の3曲を。今回の選曲のみならず、収録する順番などのディレクションも実はMs.OOJA自身が行なっている。撮影した映像をチェックしながら「次はこういう感じでもいいかも」とアイデアを出したりしつつ、合間にはSNSでリリースに関する情報の発信も忘れない(笑)。全体の進行もスムーズで、予定時間よりも早めにオールアップすることとなった。


「こういう試みは初めてだったけど、めちゃくちゃ楽しかったです。このメンバーで演奏できて良かった! 新曲もすごくいい感じにやれて、早くみんなの前で歌いたいなって気持ちが高まりましたね。ライブではこんな感じになるんだなっていうイメージも掴めたので、次のツアーが本当に楽しみ。みんなの日々をキラリと輝かせることができたらいいなと思って作ったアルバム『SHINE』、ぜひたくさんの方に聴いてもらえたらと思います」(Ms.OOJA)


 画面からはみ出しそうなほどの迫力があるボーカルも、繊細かつダイナミックなプレイが光るバンドの音も、通常のライブで聴くより圧倒的に高音質。瞼を閉じて想いを込める表情を間近で捉えたショットや、カメラ目線で歌い掛けるシーンなどは思わずドキッとしてしまうほどの生々しさだ。Ms.OOJAがあなたのためだけにマイクを向ける”あの曲”のコール&レスポンスも必見! まるで目の前で繰り広げられているかのようなライブの興奮を、ぜひ味わってほしい。(山田邦子)