8月6日、1998~99年のF1ワールドチャンピオンであるミカ・ハッキネンが鈴鹿サーキットを訪れ、8月23~25日に行われる第48回サマーエンデュランス『BH オークション SMBC 鈴鹿10時間耐久レース』に向けマクラーレン720S GT3のステアリングを握った。1時間30分に渡るテストで、ハッキネンはひさびさの鈴鹿でのドライブを果たした。
国内外から強豪チームが集い、激しい戦いが予想されている今季の鈴鹿10時間の“目玉”のひとつである元F1王者ミカ・ハッキネンの参戦。ハッキネンはPlanex SmaCam Racingからオーナーでもある久保田克昭、そしてスーパーフォーミュラ王者の石浦宏明とトリオを組み、マクラーレン720S GT3をドライブする予定だ。
すでにハッキネンはモーターランド・アラゴンで720S GT3のステアリングを握ってはいるものの、鈴鹿での本格的なテストは初。Planex SmaCam Racingはすでに岡山や鈴鹿で走行を行っているが、今回は本番用のカラーリングが施された720S GT3に、ハッキネンが初めて乗り込むことになった。
今年ハッキネンは50歳になるが、その人気は健在。鈴鹿サーキットがテストを告知したこともあって、100人近いファンがその姿を見ようと訪れたなか、17時30分からの専有走行に備えハッキネンがマクラーレンのシートに乗り込んだ。
今回のPlanex SmaCam Racingは、全日本F3選手権で戦うHanashima Racingと、スーパーGTで戦うGAINERの混成チームだが、準備をしっかりと整えられた720S GT3を駆り、ハッキネンはまずアウト~インの練習からスタート。その後慣熟走行を行い、ふたたびコースへ。19時の走行終了まで走り込んだ。体型こそ現役時代から変わってはいるが、鋭い眼光は現役時代のまま。チームと密にコミュニケーションをとりながらテストを終えた。
この日はユーズドタイヤでアラゴンとのセットの違いに慣れてもらいながら周回を重ねており、ベストタイムは2分06秒。チームとしても「まったく問題ないレベル」だという。8月7日に予定されているテスト2日目では、ニュータイヤでの走行も予定しているという。
走行後、取材に応えたハッキネンは「日本は本当に暑いね。でも、クールスーツのおかげで助かったよ。あれがなければあんなに周回はできなかったんじゃないかな(笑)」と語った。
「鈴鹿は相変わらず非常に美しいトラックだね。路面も美しく、とてもコーナーはハイスピードで、スムーズなカーブが描かれている。僕はストップ&ゴーのコースは嫌いだが、非常に楽しいラップをすることができたよ」
「鈴鹿については今まで経験を重ねているので、今回はクルマのいろいろな部分がどう動くか、トラクションコントロールやABS、パワステがあるマクラーレン720S GT3の習熟に努めることができた。ただ暗くなると、ステアリングのスイッチが見えないんだ! どうすればいいだろうか(笑)?」
日本から参戦する多くのドライバーも「同じスティントで走りたい」と語るように注目の存在と言えるハッキネンの参戦。ファンにとっても見逃せないものになりそうだ。