2019年F1第12戦ハンガリーGP週末の様子をムッシュ柴田氏がお届けします。今回はルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンの優勝争いの他、FIA-F2のレース2ではミック・シューマッハーが初優勝で盛り上がっていました。今後は調子を上げてくるでしょうか。
-------------------------------
第9戦オーストリアGPのレッドブル・ホンダ初優勝に始まって、その後も第10戦イギリスGP、第11戦ドイツGPと、めちゃくちゃ面白いレースが続きました。これまでの経験からすると、「あ~、面白かった」と思えるF1レースは1年間にせいぜい2、3戦、多くても4、5戦、それも散発的に出てくる程度です。
それが今年は3戦続けて、「めちゃくちゃ面白いレース」。まさか4戦目はそんなことないだろうと思ってましたが、最初から最後まで手に汗握る展開で、十分に楽しませていただきました。
まずはマックス・フェルスタッペンの初ポールで、盛り上がりましたよね。
2番手バルテリ・ボッタスとは、実に0.018秒差の超接近戦でした。F1公式サイトが公開しているふたりのアタックラップ比較動画は、何度見ても痺れます。
現役最強の王者ルイス・ハミルトンも、この21歳の若者を完全にライバルとして認めているようで、
おそらく予選アタック中のマシン挙動について語っているであろう彼の話を、会見そっちのけでずっと熱心に聴いていました。
パドックでは英国スカイスポーツが、フェルスタッペンのポールラップを詳しく解説中でした。
アンソニー・デビッドソンの解説、すごくわかりやすいし、面白いんですよね。レーシングドライバーにしか見えない部分を、見事な表現で語ってくれる。毎回これを聴けるイギリス人F1ファンが、本当に羨ましいです。
でもTVカメラ、無人でした。遠隔操作なのかなあ。ひとりでしゃべってるアンソニーが、ちょっとかわいそう……(汗
予選後はまず田辺豊治テクニカルディレクターの囲みがあり、そのあとレッドブル・ホンダ初PPということで、山本雅史マネージングディレクターにもコメントもらったのですが、いっぱい良いこと言ってくれました。
中でも、「レースの世界でのポールポジションは、ある意味本当の速さの証明ですから。だから一番うれしいのは、田辺だと思いますよ。どんなカテゴリーのレースであれ、そのマシンが一番速いということですからね。技術屋冥利に尽きるんじゃないですか」という言葉は、田辺さんは自分では言えないですからね。
技術者の思いをしっかり理解して、こういうコメントが出来る山本さんは、なかなか素敵なオジサンです。
それを横で、こっそり聴き入る田辺さん(笑)。
さて日曜日は、メインイベントのF1の前に開催されたFIA-F2の第2レースで、今季から同カテゴリーに参戦するミック・シューマッハーが初優勝を遂げました。
ここまで今ひとつのレースが続いて、「父親の足下にも及ばない」などなどの批判も出始めてましたが、ようやく1勝。今回は2番手の松下選手に猛追される展開でしたが、ミスもせず。
お父さんとお母さんのいいとこ取りの、端正な顔立ち。8頭身!!
イケメンでストーリー性があって、これで文句なしの速さを発揮したら、F1人気大沸騰するんでしょうけどね~。
背後のオランダ人オレンジ大軍団の大歓声に迎えられ、フェルスタッペンがポールポジションに付きました。
マックスに比べると、ここ数戦やや影が薄いルクレール選手。
今回も予選でつまらないミスをしたし、レースでもボッタスにぶつけて致命傷を負わせてしまうし。
まあでもフェルスタッペンにしても、盤石の安定した速さを見せるようになったのは、ようやく今年からですからね。
それよりも、ピエール・ガスリーですよね。どんどん心配になってしまうのは。
フェルスタッペンのチームメイトだったカルロス・サインツJr.を最後まで抜けずに6位に終わってしまったのは、夏休み前最後のレースとしてはちょっとマズかったですよね……。