オット・タナクが優勝、ヤリ-マティ・ラトバラが3位となったラリー・フィンランドの表彰式。観客席からは日の丸も掲げられた。 8月1~4日、北欧フィンランドで行われたWRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドでTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)とヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)のふたりがワン・スリー・フィニッシュを達成。同時にラリー・フィンランド3連覇を成し遂げた。この結果を受けてチーム総代表を務める豊田章男トヨタ自動車社長から、トミ・マキネン代表率いるTGR WRTへ祝福と感謝の言葉が綴られたメッセージが送られている。
前戦WRC第8戦イタリアを訪れていた豊田総代表は、タナクが大量リードを持ちながら最終ステージでマシントラブルに見舞われて勝利を失った瞬間を現地で目撃。
さらに、下位クラスのWRC2を戦う勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が同じく首位を走りながら、最終日にエンジントラブルによりリタイアを余儀なくされたことなどを受け異例のコメントを発表していた。
今回はフィンランドに赴けなかった豊田総代表だが、7週間前にイタリアで起きた悲劇を経てチームは夏休みにも関わらず、「ヤリスを“もっといいクルマ”にする努力を続けてくれていました」という言葉でスタッフの努力を称えた。
また、トヨタチームのもうひとつの母国での勝利への祝福、感謝とともに、「今年も君たちと一緒にポディウムに立ち、シャンパンでベトベトになりながら直接言葉を伝えたかったと心の底から思います」と綴っている。
そんな豊田章男チーム総代表のコメント全文は以下のとおりだ。
* * * * * * *
TOYOTA GAZOO Racing WRTは、もう1つの母国“フィンランド”で大勢の温かい地元応援団の声援を受け、3シーズン連続となる勝利をあげることができました。
開催地ユバスキュラの街は、今年も「Welcome to My Home Roads」の言葉で我々を迎え、「Hometown Hero」と我々のことを呼んでくれていたそうです。地元の方々をはじめ、声援をいただいた皆さま、ありがとうございました。
前戦のイタリアでは本当に悔しい思いをしました。そこから6週間、WRCは夏休みの日々でしたが、チームは「次のホームラリーで雪辱を果たそう」、「応援してくれる地元に恩返しをしよう」と、ヤリスを“もっといいクルマ”にする努力を続けてくれていました。
表彰台の頂点に立ったオィットとマルティン、3位で続いたヤリ-マティとミーカ、そしてチームのみんなへも祝福と感謝の言葉を贈りたいと思います。おめでとう! ありがとう! 今年も君たちと一緒にポディウムに立ち、シャンパンでベトベトになりながら直接言葉を伝えたかったと心の底から思います。
今回のラリーは表彰台に立った2台に加え、途中で戦線を離脱してしまったクリス、セブ組も含めた3台すべてが序盤からトップ争いを繰り広げる展開でした。一時は3台が1秒以内で総合首位を争うなど、それぞれのドライバーがヤリスWRCに乗ることを本当に楽しんでいるように思えました。3組6人の選手達が楽しみながら、そして、思いっきりクルマを走らせられることがヤリスを、さらに強くしていってくれると信じています。
シーズンは後半戦に入りました。2年連続でのチームタイトルの獲得、そしてTOYOTA GAZOO Racing WRTからのチャンピオンドライバー輩出に向け、チームは戦いを続けます。皆さま、引き続き、応援よろしくお願いいたします。