今年4月から本格始動した"働き方改革"。しかし、決してメリットだらけではないようだ。キャリコネニュース読者から寄せられた「働き方改革の残業による弊害」のエピソードを紹介する。
建設資材会社に勤務する20代男性は、働き方改革の四角四面な脱残業方針にギャップを感じている。昨年度までは月間平均で40時間の残業を強いられていたが、現在は「上司や別の課の人間から『早く帰った方がいい』と言われることが増え」、少し短くなった。
しかし、その声を真に受けて作業を中断すれば、翌日以降にしわ寄せがくる。上司に仕事を終わらせるまで待ってほしい旨を告げるも、
「『みんな忙しいんだ、自分勝手なことをするな』と聞く耳を持たず。どんだけ残業を減らしたくて必死なの……」
と嘆く。一方、技術職の30代男性は、
「残業が出来なくなり、月給は基本給のみと減額。定時退社に変わり、時間内に全ての業務を終わらせるため、休憩時間を削って業務することが増えました」
という。業務効率化などを行わずに業務時間を短くすると、ガタが出る。また継続作業により、疲れが抜けなくなったとも漏らす。
人手不足を時短パートの大量採用で補い、教える側の仕事量が増す
技術職の40代の男性は、会社のせこさを指摘する。
「1日の労働時間が8時間から7時間45分に減ったものの、昼休みが45分から1時間に増えたので、結局のところ勤務時間は変わりません。それなのに会社は『働き方改革を率先しておこなっている』と社会にアピールしています」
さらに、会社側は「効率化を各職場で考えろ」という方針も打ち出した。しかし中々うまく回らず、「昼休みに仕事をしたり、持ち帰り仕事があったり。外面はよく中身は変わらない」というのが実態のようだ。
管理・事務職の40代女性は、働き方改革による悪循環を綴る。女性の担当部署は、月間に設定される締め切り業務が複数あり、それに追われる日々だという。
「残業申請が必須になった今は、『残業=悪』という雰囲気ができあがっています。なので、決算月にはサービス残業で体裁を保つしかありません」
会社側は人員を増やしたが、楽にならない。「時短のパートさんばかりを採用したことで、仕事を教えなくてはならず、結果的に業務量は増えました」と嘆いている。
「残業の削減を謳いながらも、人員の補充は一切無し。人件費を増やすこともない」
技術職の40代女性は、上司の理解不能な発言に困惑している。
「『残業を減らせ!でもサービス残業はするな!』と言われるので、休憩時間をカットして働いています。上司はそうした現場の休憩をカットしていることを認識しているのに、『仕方ないね』で終了です」
女性はいつも1時間のただ働きをしているというが、それだけでなく「8時半からの始業ですが、人手不足により8時から仕事しています。休憩が取れなくなるから早出をしているのに、『出勤が早すぎる』と注意されます」と困惑している。ほかにも、
「残業の削減を謳いながらも、人員の補充は一切無し。人件費を増やすこともなく、結局は月30~50時間のサービス残業を強いられている」(30代男性、販売・サービス職)
など、多数の体験談が寄せられている。働き方改革の弊害は、まだまだ解消されそうもない。
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