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『ボイス』唐沢寿明と増田貴久の信頼関係が鍵に 警察内部の協力者もついに明らかに!?

2019年08月04日 19:31  リアルサウンド

リアルサウンド

『ボイス 110緊急指令室』(c)日本テレビ

 樋口(唐沢寿明)らECUと強行犯の追跡をかいくぐり、葵(矢作穂香)を連れ巧みに逃げ続ける新田(森永悠希)。先週の第3話ラストでは、新田に捕らえられてしまったひかり(真木よう子)が土の中に埋められてしまい、万事休すかというところで物語の結末は次回へと引き継がれた。そんな『ボイス 緊急指令室』(日本テレビ系)第4話では、間一髪のところで樋口と石川(増田貴久)が現れ、ひかりの救出に成功する。しかし、新田が仕掛ける、葵のレイプ動画配信の時間が刻一刻と迫っていたーー。


参考:ほか場面写真はこちらから


 ひかりが戻り、改めて犯人確保の算段を整える樋口ら。しかしECUと強行犯ーーあるいは樋口と沖原(木村祐一)は互いにいがみ合い、別行動で事件を追うことに。そんななか新田の過去を洗っていたECUは、彼の過去に起きたある出来事が葵の誘拐と関連していることを発見する。なぜ標的は葵だったのか? それは、新田が中学生だったころ、彼の母親が新田の担任であり葵の父親でもある男と不倫関係にあったことに端を発していた。新田は不倫への怒りから母親を殺害し、倒錯した殺人狂になってしまっていたのだ。おそらく葵を狙ったのも、葵の父親への恨みを投影しているからなのだろう。そうした動機から監禁場所を特定したひかり、樋口、石川は、新田が通っていた今は廃校となった中学校へと葵の救出に向かう。


 このあたりから徐々に、「仲間割れ」と「信頼関係」といった相異なる2つの要素が第4話のキーポイントとして浮かび上がってくる。同じ方向を向くことができない樋口と沖原や、新田を信頼できず、仲間割れを始める新田と協力者。そして、同じ過去を共有しているはずなのにこうも人格が異なってしまう新田と葵の姿まで。そうした人と人とのわかりあえなさが前面に出ているからこそ、救出劇で見せる樋口と石川の強く築き上げられた信頼関係に心が掴まれてしまうのだ。まだひかりとの連携がそこまでうまく取れていないので、救出劇の段取りは少々悪いようにも見えたが、それは今後の展開に期待するところだろう。増田貴久(NEWS)が見せる無邪気に兄貴の背中を追う姿と慕われる説得力がある唐沢寿明の存在感が見もので、ここに、クールに臆せずものを言う性格の真木よう子がどのように絡んでくるのか、そのトライアングルのチームワークがこのドラマの行方を握っているのかもしれない。


 唐沢寿明の見応えあるアクションも映えながら、無事に葵を救出し、同時に新田を確保。一件落着と思われたものの、警察に移送する途中でトイレに行った新田が何者かに殺害されてしまう。そこで明らかになるのは、新田をトイレへとおびき寄せたのは他でもない沖原だったという事実。3年前に樋口の妻が殺された事件の真犯人の顔を知っていたと新田が直前で匂わせていただけに、それをよく思わない警察内部の協力者の姿が明るみに出たのだ。こうなってくると、ECUを監視するよう指示している港東署の署長・田所(小市慢太郎)すらも怪しいのではないかという勘が働く。そうした警察内部での「仲間割れ」に、ECUの「信頼関係」をもってしてどう抗っていくのか。まだ物語ははじまったばかりだ。 (文=原航平)