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35歳で転職4回、「就職先がことごとく経営不振」どうすればいい? 「成長ベンチャーを“安定”とするのは間違い」という声も

2019年08月04日 09:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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入った会社がことごとくつぶれたら、どう考えて生きていけばいいのか。はてな匿名ダイアリーには7月27日、「35歳で4社目。転職先の会社がことごとく経営不振になる」とのタイトルで苦悩するエントリーがあった。投稿者は、世の中が全体として不安定であり、「安定している会社はすごい」という実感を漏らしつつ経歴を語った。

新卒で大手の子会社に入社したが、超ブラックで親会社に吸収され消滅。2社目は30人規模の会社で1つの事業が成り立たなくなり自主退職。3社目は仕事が面白かったが零細企業で、法制度の変更などで事業継続が難しくなり、会社都合扱いで退職したという。(文:okei)

ノリノリの成長中ベンチャーだったのに、いきなり傾いた


4社目になる現在は、前職の経験を生かして「運良くノリノリで成長中のベンチャーに転職できた」というが、「メインの取引先が経営不振になって仕事減らされていきなり傾いた」とのこと。来年あたりは倒産か解散しそうだと投稿者は予測し、

「近い将来強制的に転職活動することになるとは思うけど、どういうところを選んだらいいんだろう。起業しようにも自分ひとりじゃ何にできなさそう」

と、困惑しており、気の毒な限りだ。

この投稿には200以上のコメントが寄せられた。本人の悩みをよそに、会社選び自体がおかしいと皮肉る声が多い。

「別に珍しい話じゃなくて、会社を選ぶ基準が間違っていたら、そりゃ普通にそうなる」
「なんか沈みゆくドロ船に自ら乗るタイプの増田(投稿者)だな、傾いた会社は空席が多いからスキル不足でも入りやすい」

などのほか、「成長中のベンチャーを『安定』と認識するのは間違い」との指摘や、「傾く会社コンサルタントとして起業できよう」など、嫌味なコメントも目立った。

東京商工リサーチの調査によると、2019年の上半期(1~6月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)件数は3991件。最近は倒産件数が減少傾向にあるというが、半年間で4000件近く倒産しているのだから、その分失業する人もいる。倒産は珍しいことではないが、同じ会社で40年勤める人が多かった時代を思えば、何か納得できないものを感じるのも確かだ。

このご時世、会社の経営が厳しいのは仕方ない?

コメントには嫌味ばかりではなく励ましもある。

「少なくとも 4 回も内定をもらえているのだから、そこまで悲観しなくてもよさそう」
「潰れようがいつでも転職できるようになれば良いと思う。安定なんて幻想だよ。俺はフリーランスになった」

確かに倒産は自分のせいではないのだから、気にしないほうがいい。投稿者は、仮に大学卒業が22歳だったとして2006年卒。バブル崩壊後から景気は持ち直したとも言われた時期だが、3年後の2008年にはリーマンショックだ。世間では「失われた30年」などと言われる時期に、会社人生がすっぽり当てはまる。就職先の業績が傾いても全くおかしくない。

東京商工リサーチが、毎月の倒産事例をサイトにまとめた「こうして倒産した…」を見ると、 個人消費の低迷や、海外への販路開拓で現地ブローカーとトラブル、不漁に泣いた水産加工会社など、運の悪さや時流の変化に対応しきれず倒産する企業がごまんとある。投稿者は、そんな荒波うねる世の中で4度も就職できているのだから、その経験を生かし、今後も自信をもって働き続けてほしい。