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レッドブル・ホンダ密着:ついにメルセデスの独壇場を阻止。記録づくしのフェルスタッペンのポール獲得/F1ハンガリーGP予選

2019年08月04日 08:11  AUTOSPORT web

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2019年F1第12戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が予選ポールポジション
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがF1第12戦ハンガリーGPの予選でポールポジション(PP)を獲得した。フェルスタッペンにとっては自身F1での予選93回目にして、初のPP。またフェルスタッペンのPPはオランダ人ドライバーとしてF1で初めてであり、F1史上100人目のポールシッターという記念すべき瞬間となった。

 ハンガリーGPの舞台であるハンガロリンクは、「ガードレールがないモナコ」と呼ばれ、低速コースの代表的なサーキットだ。全開率は21戦中最も高いモンツァ(イタリアGP)の70%に比べれば落ちるがモナコの43%より高い、53%もある。

 F1にパワーユニット(PU/エンジン)が導入された2014年以降、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がPPを取った2017年を除けば、残る4回はいずれもメルセデスがPPを獲得しており、そのうち3回はフロントロウを独占。ハンガロリンクはメルセデスが得意としているコースのひとつだった。

 予選後、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「力強いマックスの走りとクルマの仕上がりも金曜日から良く、うまく行ったと思います」とドライバーとチームを称えたが、このハンガロリンクで、今回レッドブル・ホンダがPPを獲得できた要因のひとつに、ホンダPUのドライバビリティの改善があったことも忘れてはならない。

 ホンダは第10戦イギリスGPと続く第11戦ドイツGPの予選で、アクセルペダルを踏んでからの出力するまでの時間の遅延、いわゆるラグの問題に悩まされていた。

 イギリスGPの予選後はフェルスタッペンが「もし、すべてがパーフェクトにいっていたらポールポジション争いもできたかもしれない」と悔しがっていた。その反省を元に改善した設定で臨んだドイツGPの予選では、Q2でフェルスタッペンがモードを変えてアタックに入った瞬間、ストレート上でパワーが少し落ちるという不具合が出てしまい、緊急ピットイン。設定を元に戻して、再アタックしたが、タイヤを余計に1セット使用する結果を招いた。

■前2戦で発生していたラグ対策の効果が発揮

 そこでホンダは2週連続開催となったハンガリーGPに、さらに設定を見直してきた。金曜日、そのデータで走行したレッドブル・ホンダの2台はまったくドライバビリティに悩まされることなく初日の走行を終え、土曜日の予選でもパワーユニットのポテンシャルをいかんなく発揮した。

「『あれがなければ、PPが取れた』というところから始まって、シルバーストンとホッケンハイムで経験したさまざまな症状に対して、その都度、最適だと思われる設定をダイナモでテストしてきました。今回はこれまでの対策がうまくいった結果。ドライバーからはまったく(ラグの問題に関する)コメントが出ませんでした」(田辺TD)

 ホンダのエンジニアたちの努力を山本雅史マネージングディレクターも次のように称えた。

「モータースポーツの世界でポールポジションは純粋に、そのカテゴリーで一番速いという証明です。技術者冥利につきる。田辺をはじめとするホンダのエンジニアたちが一番喜んでいると思う」

 ホンダにとっては2006年第3戦オーストラリアGP(ジェンソン・バトン)以来、142戦ぶり通算78回目のPPを祝福したい。