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YOSHIKI、スペシャルライブで全9曲を披露 延期になった“重大発表”は「近い将来」

2019年08月03日 22:21  リアルサウンド

リアルサウンド

YOSHIKI

 8月3日、神奈川・パシフィコ横浜にて、YOSHIKIが楽天史上最大規模のイベント『Rakuten Optimism 2019』に出演。『Rakuten YOSHIKI Night』と題して、全9曲を披露するスペシャルライブが行われた。


(関連:YOSHIKI、X JAPAN30周年のビジョンを語る「次の年号にアルバムを出すのはいいアイデア」


 『Rakuten Optimism 2019』は7月31日から8月3日まで行われた「5G時代を、先取りしよう。」がテーマの楽天グループ史上最大規模のイベント。『Rakuten YOSHIKI Night』には、楽天市場、楽天カード、楽天モバイルの各サービスの利用者の中から抽選で2,400組4,800名が会場に招待された。


 ステージの真ん中にグランドピアノが置かれ、スクリーンにこれまでのYOSHIKIの功績が凝縮された映像が終えるとYOSHIKIが登場。ピアノで「THE LAST SONG」の荘厳な演奏が始まる。演奏を終えYOSHIKIは「数日前にこのショーのために帰って来たんですが、日本も色々と騒がしいですね」と挨拶。日本のアニメへの思いを語り、『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』の主題歌である「Hero」を演奏。この日はほとんどYOSHIKI作曲の曲を演奏する中で、1曲だけYOSHIKIが好きだというチャイコフスキーのクラシックの名曲「SWAN LAKE」を華麗に演奏し、続いてX JAPANの名曲「Forever Love」を弾き語る。


 YOSHIKIはX JAPANの「X」の意味について「無限の可能性、不可能なんてない、そういう意味でXという名前を付けた。そんな中で首の手術を2回してるんですけど、その時にまさかステージ立てるなんて思ってなかった」と言うと、「奇跡は待つものじゃなくて、奇跡は自分で起こすもの。夢も自分で掴んでいかなければいけない。でも起こすにはいろんな力が必要。こうやってファンのみなさんが僕の背中を押してくれたから、今こうやってステージに立ってることができます」と感謝し、アシュリー・ナイトをボーカルに迎え「Miracle」を演奏。「僕とToshlは4歳の時に出会った、それも何かの奇跡。そしてメンバーのhide、TAIJI、PATA、HEATH、SUGIZO、この全ての出会いが自分にとって奇跡。同じようにファンのみんながいて、気づいた時にhideが他界してしまって、そういう悲しいことがあって僕は気づいた。なんか自分がダメになりそうだったんで、なんとか生きようと最後の力をふりし絞って書いた曲。今日はhide、TAIJI、そして同じように他界してしまった僕の父親に捧げようと思います」と「Without You」を披露した。若かりし頃のX JAPANや、hideの映像、そしてYOSHIKIの子ども時代の写真など、今YOSHIKIがここにいる全ての奇跡が映し出された。演奏後には涙を流したYOSHIKI。「紅」ではスマホのライトを掲げ、観客が歌う。続いて「ART OF LIFE」を演奏し、最後は「ENDLESS RAIN」で締めた。


 演奏後、会場を端から端へと挨拶をし「東京ドームを思い出すな」と感慨深く言い、最後に「Xという意味は無限の可能性だからね、みんなも色々大変なことがあるかもしれないけど、一緒に頑張っていこうね!」と挨拶し、「ウィーアー!」と呼びかけると観客が「X!」と答えるお馴染みのやり取りで終了。贅沢な1時間となった。


 ライブ後の囲み取材では、いつものライブとの客層の違いに触れ「最初アウェイなのかなと思ってたんですが、思ったよりみなさん一緒に歌ってくれて」と述べた。さらにYOSHIKIが1,000万円を寄付した京都アニメーションの放火事件について「その時ロサンゼルスにいたんですけど、急にテレビで流れまして、ビックリしました」と言い、アニメに関しては「アニメーションのテーマ曲をよく書かせてもらっているのもあるんですけど、世界中をツアーで回ってますと、必ずどこの国でも、アニメーションを通じて日本を愛してくれて、日本の人も愛してくれている」と実体験を語り、感謝の言葉を述べた。


 またニコニコ生放送で予告をしていた重大発表ができなくなった件について、「自分がちょっと早とちりしてしまって、いろんな方に100%確認を取らなかった。それは一瞬まだ待った方がいいんじゃないかと言われて、確かにおっしゃる通りで。フライングに近い発言、申し訳ないです」とコメント。「何を発表しようとしていたんですか?」と聞かれると、「アルバム関係です」と答え、今までもアルバムを出すと言ってきただけに、記者たちから「ついに!」とつっこまれ、「正式発表はいつですか?」という質問に、「近い将来。でも僕の近い将来は誰も信じないですからね」と笑いを誘う。“5G”がテーマである今回のイベントにちなみ、「5Gなら我々もYOSHIKIさんを待つことはなくなるかも」と言われると、「なくなるんじゃないかな(笑)。やはりこれからは全てがリアルタイムに進行されるようになる」と答えた。


 また製作中だという自身のドキュメンタリー映画について、「7割ぐらい(できてます)。今日のも撮影されてます」と答え、「5Gなんで(笑)。完成は年内。(公開は)早ければ来年」と言い、「アルバムより早いのでは?」と聞かれると「それがまずいなと思って」とコメントし笑いを誘った。映画については「僕に限らずこれから日本のアーティストは世界に向かっていくと思うんですけど、必ずしも順調にはいかない、苦しいこと挫折もいっぱいある。だけど前に向かっている。少しでも次世代の人たちに勇気を与えられれば」と説明した。


 さらに、吉本興業のお笑い芸人による闇営業問題について日米での活動経験を含めてどう思うかと聞かれると「ユニオンとかあるので、そこがキッチリしてると思うけど、だけど一概に……難しい問題ですよね。僕としては経営者側の立場もあるし、アーティスト側の気持ちも分かるし、複雑な問題で一概に言えるものじゃないのかな。ただね、次のステップで前に行くわけじゃないですか、だからネガティブにとらえず、前向きに考えるものいいんじゃないかな」と持論を展開。またX JAPANの活動については「アルバムというものをちゃんと届けてから。今年で30周年なんですよね、僕らデビューして。何もイベントがないってすごいですよね(笑)」と冗談交じりに語った。


 前日には楽天CEO・三木谷氏とのビジネスカンファレンス「5Gがつくる新時代のコンテンツ」にも登壇。「この業界をぶっ壊す」とコメントしたことについて、「ぶっ壊すというか、良い方に変えていく。日本とアメリカとギャップがある。アメリカはCDの“し”の字も聞かない。日本の場合はCDを聴けるじゃないですか。形を変え、方法を変え……いい面もあるし、悪い面もある。だけど、そろそろ変わらなければいけないんじゃないかって。そういうことをぶっ壊すって言いました」と説明し、この日の会見は終了した。(本 手)