スーパーGT第5戦富士の公式予選、GT500クラスの戦いはMOTUL AUTECH GT-Rが制した。3戦ぶり2019年シーズン3度目のポールポジション、富士では2戦連続で、昨夏の富士500マイルレースから富士3大会連続のポール獲得ともなった松田次生&ロニー・クインタレッリが予選をふり返り、500マイル、約800kmの長丁場となる決勝への展望を語った。
MOTUL AUTECH GT-R
松田次生
「このところハードな日程が続いていて、朝のフリー走行(公式練習)では(先週のスパ24時間レースで乗った)GT3マシンからの“乗り換え”で、感覚をつかむのが大変でしたね。クルマの重さも違いますし、ABSやトラクションコントロールがあるGT3とはブレーキを踏む時のタッチが微妙に変わってくるんです」
「特に富士は1コーナーでドカンと踏まなきゃいけないので、これはうまくアジャストしないといけないなと思いました。普段はあまりそういうこともないのですが、スパでは特殊な走り方をしていたところもあったので、今回はGT500に合わせるのに30分くらい時間がかかったかなという感じでした」
「朝走った段階で、クルマの調子自体はすごくいいということもないけれど、それなりにポテンシャルはありそうだなというフィーリングでした。そしてQ1でトップタイムを獲れたので、これならQ2はロニー(クインタレッリ)選手がいいタイムを出してくれるなと思っていました」
「実際に素晴らしいタイムを出してくれましたし、ここまではクルマ(の仕上がり)としても順位としても、狙いどおりにうまくいっている感じです」
「第3~4戦は(多くのライバルより)ウエイトハンデ的に厳しい状態が続いていたことが主な苦戦原因だと感じています。今のGT500はクルマも差がないし、強力なドライバーがそろっているので。ですから今回、他のみんなも(ハンデが)重くなってきた状態で戦えたことで、こういう結果になったのかな、と思うところはあります」
「ただ、僕たちよりハンデの厳しいクルマが上位につけている(ZENT CERUMO LC500が4位)こともありますし、気は抜けないですね。レースは長いですし、始まってみないと分からない面も多いと思います」
「去年もこのレースでポールを獲りましたが、決勝は自分たちが想定していない順位(9位)で終わってしまいました。とにかくまず今シーズン1勝という気持ちも僕たちのなかで強いですし、ここはポイントも多い(割り増し)ですから、チームもドライバーもミスなく戦いたいと思います」
「しっかり戦って(少なくとも)上位でフィニッシュし、選手権(争い)につなげていきたいですね」
ロニー・クインタレッリ
「(松田)次生選手が言ったとおり、朝の走り出しからクルマのバランスはそこそこよくて、ポテンシャルも感じていました。予選に向けた路面変化を考えれば、そのバランスでいけると思っていましたね。そしてQ1では次生選手がポテンシャルを引き出して、すごくいいタイムで走ってくれました」
「ただQ1では3号車(CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)も速かったですし、他にも何台かがそこまで大きくない差で続いていたので、Q2では完璧なラップを決めないといけないと思いました。計測3周目、ミスなくいいアタックができたと思います。タイムは僅差でしたけど、1コーナーから攻めていくことができたラップでした」
「第3戦、第4戦と速さを発揮できなかったので、第1~2戦以来のポール獲得はうれしいです。僕は同じ年に3回ポールポジションを獲ったことはたぶんなかったと思うので、そういう意味でもうれしいですね」
「(決勝スタートタイヤ抽選で「B」を引いて喜んだ理由は)Bは僕が使ったタイヤで、1周しかアタックしていないからです。次生選手の方のタイヤはもっと長くアタックしていましたからね」
「1年前もここでポールを獲ったのに、レースでうまくいかなかった。今年はトラブルなく、コンスタントに走って、少なくとも表彰台には乗りたい。そしてチャンスがあれば(もちろん勝ちを狙う)」
「とにかく最初からトップを守って走り、きちんとレースをして多くのポイントを獲りたいですね。選手権につながるレースをしたい。このレースが終わった時点で、ランキングの一番上の方にいられたらいいですね」