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スーパーGT第5戦富士:埼玉トヨペットGB マークXの吉田広樹がGT300初ポール。HOPPY 86の連続ポールを止める

2019年08月03日 17:31  AUTOSPORT web

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2019年のスーパーGT第5戦富士、GT300クラスでポールポジションを獲得した埼玉トヨペット Green Brave
8月3日(土)に、富士スピードウェイで2019年スーパーGT第5戦の500マイル長距離決戦に向けた公式予選が行われ、GT300クラスは軽減された性能調整ウエイトに加えて抜群のトップスピードを誇るマザーシャシー、埼玉トヨペットGB マークX MCが最速タイムを刻み、吉田広樹が自身初ポールポジションを獲得した。

 2018年から500マイルレースとなり真夏の耐久戦へ生まれ変わった8月の富士ラウンドに向けて、各陣営は基本11セット、最大12セットのドライタイヤが持ち込み可能なことから、午前の公式練習では各コンパウンドと路面コンディションの相性を見極める作業が進められた。

 予選シミュレーションを行う占有走行を前に、高い気温に適性をみせたのはヨコハマタイヤ勢で、終わってみれば軽さとフットワークを活かしたブリヂストンタイヤ装着のマザーシャシー、埼玉トヨペットGB マークX MCにトップタイムを譲るも、2番手から7番手までをヨコハマ勢が占領する結果に。車種もマザーシャシーやニッサンGT-RニスモGT3、アストンマーティン・バンテージGT3、メルセデスAMG GT3などバラエティに富む結果となった。

 そのため、予選では軽さと最高速を武器とするマザーシャシーか、中間加速に優れるニッサンGT-R GT3か、はたまたトップスピードに秀でるアストンマーティンやホンダNSXなど、その他のGT3勢が一矢報いるかという勝負になった。

■Q1はニッサンGT-Rが速さ発揮。メルセデスAMGも好調
 14時50分、いつもどおりGT300クラスから始まった15分間の予選Q1は、気温31度、路面温度40度でスタート。薄曇りで42%という数値以上の湿気を感じる状況のなか、各車入念にタイヤのウォームアップを進めていく。

 そんなトラックコンディションのなか、まずはHOPPY 86 MCの佐藤公哉が1分39秒175の基準タイムをマーク。同じ3周目の計測ラップでSUBARU BRZ R&D SPORT、グッドスマイル 初音ミク AMGが次々とタイムを塗りかえていく。

 すると全車中最初に4周目に突入したRUNUP RIVAUX GT-R、青木孝行が1分37秒773でトップにおどり出ると、同じく4周目に1分37秒636を記録して首位を奪った初音ミク AMGの谷口信輝とタイム更新が続き、さらに青木は5~6周目にも続けてタイムアップを果たし、1分37秒534まで詰めていく。

 コース上は各車クリーンなポジションを確保し混乱なくアタックが続いていくなか、セッション残り3分を切ったところで、この争いにもう1台のGT-R、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの平峰一貴も加わり、1分37秒521で首位を奪取。これでヨコハマタイヤを履く2018年型GT-R GT3がワン・ツー体制を築いた。

 そのままセッションはチェッカーとなり、2台のGT-Rに続き早々にアタックを切り上げた初音ミク AMGが3番手。公式練習はロングランペースの確認を徹底したか16番手だったブリヂストンを履くLEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥が4番手に続いてメルセデスAMGが並び、HOPPY 86がトップ5最後のスポットに。

 以下、GAINER TANAX tripe a GT-R、SUBARU BRZ、UPGARAGE NSX GT3、T-DASH ランボルギーニGT3、エヴァRT初号機 X Works GT-Rと続き、午前最速を記録していた埼玉トヨペットGB マークXは1分38秒569の16番手。ウエイトハンデ61kgを搭載する15番手のARTA NSX GT3に続いて、カットライン間際でQ2進出を果たしている。

■Q2:埼玉トヨペット マークXの吉田広樹、渾身の一撃で初ポール奪取

 GT500クラスのQ1を挟んで15時35分開始となったQ2も、1コーナー寄りのピットからHOPPY 86松井孝充が真っ先にコースイン。10分間の勝負に向けトラック上での主導権を狙う一方、リアライズGT-Rのサッシャ・フェネストラズ、D’station Vantage GT3のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは最後まで待機し、隊列最後尾を狙ってピットを離れていく。

 するとHOPPY 86松井は3周目に1分40秒866でタイムシートの最上位に名前を載せると、続く周回でもさらに自己ベストを記録し、1分37秒394まで縮めてくる。

 その松井に待ったをかけたのは、同じマザーシャシーの埼玉トヨペットGB マークXを操る吉田。4周目に1分37秒320を記録すると、チェッカーが振られた後の最終アタックでも自己ベストを更新する驚異の走りを披露し、1分37秒316のベストタイムで自身初となるポールポジションを獲得。トップスピードも274.112km/hまで伸ばし、マザーシャシーの最高速をまざまざと見せつける結果となった。

 一方、3戦連続のポール獲得がかかっていた松井は5周目も連続アタックに入り1コーナーのTGRコーナーで鬼気迫るブレーキングを見せるも止まりきれずオーバーラン。これで2番手にとどまり、セカンドロウ3番手には元全日本ジムカーナ王者・柴田優作がドライブしたRUNUP RIVAUX GT-Rがつけたほか、4番手にSUBARU BRZ、5番手にGAINER TANAX triple a GT-Rが続く結果となった。

 Q1最速だったリアライズGT-Rは6番手となったほか、GT3勢のなかでもトップクラスの最高速を誇り、一時はセクター1~2で全体ベストを塗り替えていたD'station Vantage GT3は、最終のセクター3でペースを上げられず10番手に終わっている。

 サーキットに詰めかけたファンには、熱中症予防の対策が必須な8月富士の耐久戦。500マイル、約800kmと長丁場の決勝は、引き続き猛暑予報の続く8月3日(日)、13時30分に勝負の幕が上がる。