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WRC:トヨタ、“ホーム”で3台が優勝争いを展開。マキネン「3人の戦いをわくわくしながら見ていた」

2019年08月03日 14:21  AUTOSPORT web

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クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)
WRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドのデイ2が8月2日に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が前日の総合8番手から首位に浮上するとともに、クリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合2番手となり競技2日目をワン・ツーで終えた。また、ランキングトップを走るオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)も、ラトバラからわずか2.6秒差の総合4番手につけている。

 トヨタにとってホームイベントとなるラリー・フィンランド。その競技2日目はSS2“オイッティラ”でスタートし、ユバスキュラ市街地に設定されたSS11“ハルユ2”まで合計10本のSSで争われた。

 初日を総合2番手で終えたタナクは、出走順で不利となる1番手スタートながらこのSS2で2番手タイムを刻み、ライバルのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)を交わして総合首位に浮上する。さらに、SS5ではベストタイムを記録しSS6終了時点までトップの座を守ってみせた。

 しかし、午後の再走ステージでは路面に深い轍が刻まれ、その影響もあって思うようにタイムが伸びず。SS7で首位の座をラトバラに明け渡したほか、さらに2台に交わされ総合4位でデイ2を終えている。

 一方、前日の8番手から大きく順位を上げたのはラトバラ。母国戦に臨む彼は10本のSSの内6SSでステージ優勝を果たすスピードをみせ、午後のSS7で総合首位に立つと順位をキープしたまま一日を無事に走り終えた。

 ラトバラとわずか1.2秒差の総合2番手となったミークもSS3、SS9でベストタイムを刻むなど持ち前のスピードを発揮。僚友たちとともにトヨタの表彰台独占に向けて好位置につけている。

「本当に良い1日だった。いくつかのステージでは少し遅れたが、全体的には力強く走ることができた」と語るのは、2日目を終えて首位に立ったラトバラ。

「タイム差が本当に小さく、大きなプレッシャーを感じながらの走行になった。しかし、そのような状況でも高いスピードを維持し、大きなミスをすることなくギャップを築けたことに満足しているんだ」

■オット・タナク「午後はフラストレーションが溜まった」

 総合2番手につけたミークも「良い1日となり満足している。フィンランドではスタートダッシュを決め、上位グループに入ることがとても重要だが、午前中はそれを実践できたよ」とコメント。

 また、タナクも「非常に良いフィーリングで1日を終えることができた」と1日を振り返り、「午後は全力で攻めたにも関わらず順位が少し落ちたのでフラストレーションが溜まったけれど、それでも差はまだ小さく、明日は今日よりも良い出走順となるのでチャンスは充分にあると思う」と翌日の挽回に闘志を燃やしている。

 チームを率いるトミ・マキネン代表はトヨタのワン・ツー・フォーという2日目の結果について、次のように述べた。

「本当に素晴らしい戦いだった。ラリー・フィンランドではしばしば僅差のバトルが繰り広げらるが、今日ほど接近した戦いは記憶にないね」

「我々の3人のドライバーのタイム差は僅かで、彼らの戦いをわくわくしながら見ていたよ。皆、とても良い仕事をしたと思う」

「とはいえ我々のチーム内だけで戦っているわけではなく、エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)も非常に速いので、明日も攻め続けなくてはならないね」

 3日に行われるデイ3は、サービスパークの南側で計4本SSを各2回走行するスケジュール。このうちSS15、SS19に設定されている“レウスト”は、今大会唯一新たに加わったステージとなっている。8本のSSの合計距離は132.98kmでラリ・フィンランドでは最長に。リエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は578.52kmだ。