現実と、フィクションや2次元は混同してはいけない。それでも作り物だと信じたいような、にわかに信じ難いが本当にあったブラック企業体験談がキャリコネニュース読者から寄せられている。
販売・サービス職の40代女性は、過去複数のブラック企業に在籍していた。ある会社では、入社直後にも関わらず「会社都合だとあなたの将来に傷がつく」と自己都合退社での説明を受けた。彼女はこの言葉を「どこの会社も常套句」という。
実際、労働者の落ち度による懲戒解雇と違い、会社都合の退職が再就職に働くことはあまりない。しかし退職金を払いたくないなどで、会社都合にしたくないという企業もあるようだ。
毎朝7時から営業会議があり、退社時刻はサービス残業の深夜1時という会社もあった。当時を「職場の上司や同僚は皆、デスクの引き出しに泊り用の下着とワイシャツを入れていました」と振り返る。
欠勤を理由に、社員を寮から追い出した会社もあった。ある社員が激務でメンタルを病み、1週間出社できなかったときのこと。朝礼で人事が「出社しない人は社員寮には居られない」と社員から取り上げた部屋の鍵を見せられた。というその社員は復帰できないまま1か月程で退社した。ほかにも、
「上司から書類をはじめ、手渡しされたことがない。USBメモリーを投げるのだけは、色んな意味で危険なので止めて欲しかった」
「1回2時間の説教が毎日あり、必ず誰かが説教部屋に呼ばれていました」
「次の社員が入社するまで退社できない」
という修羅場をくぐってきた。女性はこのほかにも書ききれないほどのブラック企業体験談を綴っている。
「仕事中に団扇や扇子で扇いではいけないルール」
以前、FC展開するラーメン屋で雇われ店長をしていた30代男性は、多忙のあまり移動時間の始発と終電が睡眠時間という生活スタイルだった。2店舗を同時に任されており、月間500時間労働だったという。
会社から地方の店舗展開に備えるようにと、自宅の解約を迫られたこともあったという。また、あらぬ疑いをかけられたこともあった。
「ノロウィルスにかかった状態でキッチンに立つように言われたので、退職届を出しました。が、売上金の持ち逃げをでっち上げられたのです。危うく警察沙汰でした」
ノロウィルスを保菌した状態のスタッフを飲食店に立たせるのも怖いが、ここまで来ると何から指摘すればいいのか分からない。
深夜残業が美徳の会社を1か月で辞めると「なぜウチの色に染められなかったのだ」
技術職の30代女性の元勤務先には、意味不明なルールがあった。「見映えが悪いからという理由で、仕事中に団扇や扇子で扇いではいけない」というのだ。さらに、室温設定が28度というルールもあり、
「コピー機の隣の席で汗がダラダラ垂れる方が、よっぽど見苦しいです。仕事も全然捗りませんでした」
と振り返る。
管理・事務職の40代男性の過去の勤務先は、無駄に深夜まで会社にいることを美徳とする職場だった。当時は父子家庭で子どもも小さかったが、「勤務中に子どもを迎えに行き、そのまま深夜まで子どもを仕事に付き合わせる状態が続きました」という。
中途採用の社員がその社風に合わず1か月で辞めた際には、男性が「なぜあいつをウチの色に染められなかったのだ」とが叱責されたこともあった。ほかにも、
「女性は35歳まで結婚禁止でした。なぜか親の葬儀に参列することも禁止されていました」(30代女性、研究開発職)
といった完全に人権侵害のエピソードが寄せられていた。
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