トップへ

『全裸監督』のモデルとなった男のドキュメンタリー『M/村西とおる狂熱の日々 完全版』11月公開

2019年08月02日 15:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『M/村西とおる狂熱の日々 完全版』(c)2019 M PROJECT

 映画『M/村西とおる狂熱の日々 完全版』が11月30日よりテアトル新宿、丸ノ内TOEIほかにて全国順次公開されることが決定し、あわせてポスタービジュアルが公開された。


参考:染谷将太、斎藤工、山田孝之……日本の映画界担う俳優たち、映画制作に進出する背景は?


 本作は、今年8月8日よりNetflixにて配信される山田孝之主演作『全裸監督』のモデルとなった村西とおるのドキュメンタリー映画。村西が50億円の負債からの再起を図るために1996年、北海道で、世界初の4時間超のDVD用Vシネマと、35本のヘアヌードビデオの撮影を同時に敢行した当時のメイキング映像と、現在のコメントで構成される。なお、2018年10月に中野ゼロホールで一度だけイベント上映され満員御礼となった作品を再編集した完全版となっている。


 度重なるアクシデント、苛烈さを極めていく終わりの見えない撮影現場、崩壊してゆく人間関係、そんなどん底の状況の中でも、なぜ彼は逃げなかったのか? 彼を奮い立たせたものは何なのか? 死んでも譲れないスケベ心で、時代に屈服しなかった「人間・村西とおる」の本質に迫る。


 村西からはコメントが寄せられている。


村西とおる
お待たせしました、お待たせしすぎたかもしれません。
本作品は今から23年前の1996年、7月20日から8月3日までの2週間、北海道で行った撮影の日々を収録したドキュメンタリーです。
収録映像は当時のベータテープ、120本に及ぶ膨大な量でした。撮影当時の私は、まさしく 「火の車」状態にありました。4年前に50億円の負債を抱えて倒産し、ニッチもサッチもいかない状況に追い込まれていたのです。しかし、「このまま終わってたまるか」との思いもありました。倒産して味わった屈辱の日々が、「今に見ていろ」の闘志を掻き立てたのです。
北海道の短い夏が大好きです。 散る花の儚さにも似て、7月20日から月末までのたった10日間の短い季節の命のいぶきに魅せられます。本作にはそんな美しい北海道の夏の知床五湖を訪ね、収録したシーンがあります。この世で見たものの中で我を忘れるほどに最も美しい景色でした。一行が函館空港に降り立った時はアトランタオリンピックが開催された翌日のことでした。ようやく撮影の全日程を終えて、釧路空港から機上の人となって新聞を開くと、奇しくもその日はオリンピックの最終日でした。短い夏とともにオリンピックも終わりを迎えた、今となっては「夢、幻のごとき」23年前の出来事です。
最後に、このドキュメンタリー作にお忙しい中にわざわざご出演くださいました俳優/画家の片岡鶴太郎氏、漫画家の西原理恵子氏、高須クリニック院長の高須克弥氏、浅草キッドの玉袋筋太郎氏、東京大学名誉教授/社会経済学者の松原隆一郎氏、首都大学東京教授/社会学者の宮台真司氏に心より感謝申し上げる次第でございます。 
(文=リアルサウンド編集部)