れいわ新選組の代表・山本太郎氏は8月1日、新宿駅西口で街頭記者会見を行った。7月21日の参院選後、山本氏が街頭演説を行うのはこれが初めて。会場になった小田急百貨店前には人だかりが出来ていた。
投開票日の会見でもNHKの報道姿勢に疑問を呈していた山本氏は、今回の演説でも再度、NHKのあり方に言及した。
「NHKに関しては『ぶっ壊す』みたいなことを言っている場合ではない」
山本氏は、テレビは視聴者のものではなく、「企業の宣伝をするための箱」という意味合いが強いため、「テレビから皆さんに重要な情報が渡されることはない」と説明する。スポンサーにお金をもらっている以上、忖度した報道になるのは当然という見方だ。
そのため、「テレビの情報をそのまま受け取ること自体が間違いだろうと。流されていることに対する意味を考える必要があると思う」と語るが、
「少なくともNHKに関しては『ぶっ壊す』みたいなことを言っている場合ではない」
と指摘した。その上で、NHKはドキュメンタリーを始めとする良い番組はあると評価する一方、
「肝心のニュース報道が最低です。まるでゴミです」
と断言した。聴衆から上がった歓声や拍手は、それまでの反応よりもやや大きかった。
「価値のあるニュース報道を提供する、事実を伝えていただきたいと思いますね」
「NHKにとってスポンサーは皆様なわけですから、報道の内容は忖度なくストレートに流せばいいですよね。これはNHKの経営に関わる問題なので、政治家としての立場で何かを改革するのは難しいかもしれませんが、せめて、国会を一日中流しているチャンネル(が必要)。逆に言ったら国営放送化して、ちゃんと政治を可視化していくチャンネルを設けるということをしていくほうが良いのかもしれません」
と、NHKの国営放送化を提案していた。
「言っていることを本当に実現できるのか」といぶかしがる支持者も
会場に集まった人の多くは、れいわ新選組の支持者だ。「別の用事で新宿に来たらやっていたので、途中から聞き始めた。演説に足を運ぶのは初めて」という30代の女性は、
「選挙での2議席獲得で、国会の対応に課題もポツポツ出てきて、太郎さんの思惑通りだと思うんですよね。割とワクワクした感じで見守っています。衆院選も応援したい」
と、熱い思いを語る。
一方、若い世代からは冷静な意見も出ている。ある20代の女性は、参院選ではれいわ新選組に投票したというが、「色々言ってますけれど、言っていることが本当に実現出来るのかという思いはありますね」とこぼしていた。
山本氏は今後、参院選で落選した候補者数人と共に、衆院選への参戦を目指す。