WEC世界耐久選手権は8月1日、スパ・フランコルシャンと4年間の開催契約延長を発表した。あわせて2019/20年シーズン第7戦として予定されている2020年大会の日程を、当初の5月2日から4月25日に前倒しするとアナウンスした。
WECスパは毎年5月上旬に行われることに加えて、そのコースキャラクターがサルト・サーキットのそれと近似していることから、ル・マン24時間レースの“前哨戦”とも呼ばれる一戦だ。
最高峰カテゴリーのLMP1ではル・マン仕様のローダウンフォースパッケージをこのWECスパから投入することも多々あり、2018/19年第7戦はトヨタとレベリオン・レーシング、バイコレス・レーシングチームがストレートスピード重視のエアロで6時間レースを戦った。
そんなWECスパは2012年の現行シリーズ開始以来、7シーズンに渡って開催されてきたが、今後4年間も引き続き世界選手権の1ラウンドとして開催されることが正式決定した。
この発表にあわせて、シリーズは2019/20年のWECスパについて日程変更を実施するとアナウンス。暫定カレンダーでは4月30日~5月2日というスケジュールだったが、これが1週間前倒しされ4月23~25日開催となったことで、ABBフォーミュラE選手権第10戦ソウルE-Prixとのバッティングを回避している。
「私たちはつねに可能な限りスケジュールを安定させることを目指してきた。そして、WECとELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズがさらに4年間スパに戻ってこられることをとてもうれしく思うよ」と語るのは、WECのジェラール・ヌーブCEO。
「選手権に参加するチームやファンに、スパのような世界トップクラスのサーキットを訪れる機会を提供することは我々にとって非常に重要なことだと考えている。そしてもちろん、多くの歴史とドラマを生んだこの地はドライバーたちのお気に入りの場所のひとつであることも理解しているんだ」
「2019年を含め、私たちは何度もスパでの素晴らしいイベントを目撃している。2020年大会では雪が降らないことを願っているよ!(笑)」
日程変更について、ヌーブ氏は「競合他社や我々のパートナー、ファン、メディアを満足させるため、2020年トタル・スパ6時間レースの開催日を1週間前倒しすることにした。これによって他のイベントとの日程重複を避けることができた」と語った。
WECスパの開催日移動により、日本では例年起きていたスーパーGT第2戦富士とのバッティングが解消されることに。しかし、今度は全日本スーパーフォーミュラ選手権の暫定スケジュールで、4月25~26日の開催が予定されている第2戦鈴鹿と日程が重複することになっている。