2019年のモンスターエナジーNASCARカップは7月28日、ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで第21戦の決勝レースが行われ、デニー・ハムリン(トヨタ・カムリ)が優勝。過去にポコノで4勝を挙げているハムリンが2019年シーズン3勝目を飾った。
第21戦の舞台となったポコノ・レースウェイは、それぞれコーナーの角度とバンクの角度が違う3つのコーナーをストレートでつないだ独特なレイアウトを持つトラック。その特異さから“トリッキー・トライアング”の異名も持っている。
決勝レースは2.5マイル(約4km)のオーバルを50周、50周、60周の3ステージ合計160周で争われ、予選最速だったケビン・ハービック(フォード・マスタング)を先頭にスタートを迎えた。
50周目までのステージ1では、4番手スタートだったカイル・ブッシュ(トヨタ・カムリ)が速さを発揮。40周目にラップリーダーへおどり出ると、そのままトップでチェッカーを受けた。
続くステージ2へ向けて、カイル・ブッシュらがピットインした一方で、ハムリンなどはステイアウト。これによりカイル・ブッシュはトップ10圏外までポジションを落としてステージ2をスタートすることに。
しかし、ステージ1で速さを発揮していたカイル・ブッシュはスタートから5周でトップ3圏内に返り咲くと、それから7周後にはラップリーダーの座も取り戻してみせた。
カイル・ブッシュはその後もリードを広げ、ステージ2も制覇するかと思われたが、チェッカー目前でピット作業を終えた直後、ダニエル・スアレツ(フォード・マスタング)とライアン・ブレイニー(フォード・マスタング)が接触したためイエローコションが出されてしまい、これでカイル・ブッシュは大きくポジションを落としてしまう。
これによりラップリーダーにはジミー・ジョンソン(シボレー・カマロZL1)が浮上してトップチェッカー。ステージ2を制することになった。
最終ステージ3はインターバル中にピットインしなかったハービックを先頭にスタート。ロガーノ、マーティン・トゥルーエクスJr.(トヨタ・カムリ)、ハムリンらが続く。
このステージ3はスタート早々の113周目にターン1でクラッシュがありイエローコション。残り周回数としては燃費が厳しいが、ここで最後のピット作業を行うか、ステイアウトするかで戦略が分かれることに。
ここではステイアウトを選択したカイル・ブッシュが先頭。ピットを終えたハムリン、ジョーンズ、トゥルーエクスJr.が続き、カムリ勢がトップ4を占める形でレースは残り42周で再開された。
先頭のカイル・ブッシュは、燃費走行を強いられている後続を引き離し、レース残り25周の135周目にピットイン。これでジョーンズが首位に上がったが、残燃料の関係からペースを上げられず、ハムリンが首位に浮上していった。
レースは残り8周となった152周目にイエローコション。その4周後にレース再開となるが、このリスタート直後に多重クラッシュがあり、再度イエローコションで中断され、2周の延長戦“オーバータイム”へ持ち込まれる。
このリスタートでもジョーンズの追撃を退けたハムリンがトップチェッカー。2019年シーズン3勝目を挙げた。2位、3位にはジョーンズ、トゥルーエクスJr.が続き、トヨタ陣営がトップ3を占める結果となった。
この週末は下位シリーズのNASCARエクスフィニティ・シリーズ第19戦、NASCARガンダー・アウトドアズ・トラック・シリーズ第14戦の決勝も行われ、エクスフィニティではチェイス・ブリスコー(フォード・マスタング)が優勝、クリストファー・ベル(トヨタ・スープラ)が2位に食い込んだ。
アウトドアズ・トラック第14戦では、ロス・チャステイン(シボレー・シルベラード)が優勝。トヨタ・タンドラ勢は2~4位を占める結果となった。
2019年のモンスターエナジーNASCARカップ第22戦は8月4日、ニューヨーク州ワトキンス・グレンのロードコース、ワトキンス・グレン・インターナショナルで行われる。