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深田恭子が明かす、『ルパンの娘』撮影の裏側 「実はすごく真剣に撮っている」

2019年08月01日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

撮影=伊藤淳

 警察一家と泥棒一家の許されない恋を描く木曜劇場 『ルパンの娘』(フジテレビ系)が放送中だ。


 累計発行部数10万部を超える横関大の同名小説(講談社文庫刊)を連続ドラマ化した本作は、『翔んで埼玉』の武内英樹が監督、徳永友一が脚本を手がけ再タッグを組むラブコメディ。


参考:深田恭子との6歳差親子も違和感なし! 小沢真珠、『ルパンの娘』母親役で真骨頂を発揮


 今回、泥棒一家“Lの一族”の娘で、家族の誰よりも盗みの才能を持つものの家業を継ぐことを拒み、普通に生きていくため図書館司書として働く主人公の三雲華を演じる深田恭子にインタビューを行い、役作りや撮影の様子を語ってもらった。


ーー泥棒スーツを着ている時と、着ていない時で役の雰囲気がガラッと変わっていますが、衣装に身を包むことでスイッチが入ったりするものなのでしょうか?


深田恭子(以下、深田):今回の役は特にあります。泥棒スーツを着た時に口調が変わったりするので「ここで会ったが運の尽き、あんたが犯した罪、悔い改めな」という決め台詞が毎回あるんですが、マスクをしていないと恥ずかしくて言えないですね(笑)。コスプレというよりは武装という感じで、衣装を着ることによって演じられているように思います。


ーー本作ではアクションも披露していますが、トレーニングなどは?


深田:でき上がったものを見ると自分がすごく動ける人になったような気持ちがするんですけど、撮影は、マスクをして、イヤホンもするんです。その上、手袋もすると、視界も悪くあまり音も聞こえない状況なのですごく難しいです。なかなか練習のようには行かず、撮影は苦戦しております。


 アクションといっても私は攻撃する側じゃなくて、一応暴力はふるっていないという体なんです。相手の手で相手を殴ったり、避けたりという風になっています。毎回最後に「Lの手刀」というのをやるんですが、アクション指導の方に「この軌道でお願いします」と言われても、自分が動いている感覚と見えている感覚が違ったりして、結構勢いにまかせてやってしまっています。


ーー深田さんから見たこの作品の魅力は?


深田:こんなに見どころ盛りだくさんの作品ってないかもしれないです(笑)。「みなさんついてきてください!」というようなテンポの良さと、コメディなんですけど、みんな大真面目に取り組んでいるので、その姿を面白おかしく見ていただけたらなと思います。私たちは本読みや撮影を楽しみながら作った作品なんですが、視聴者の方が平日の夜についてこれるのかは不安です(笑)。ただ見終わった後に爽快感がありますし、サカナクションさんの「モス」という曲のおかげでさらにテンポアップして楽しんでいただけると思っています。


ーー作中にはミュージカル要素までありますね。


深田:私も踊りまではいかないんですけど、一緒に歌ったりしています。でも大貫(勇輔)さんがプロのダンサーなので、一緒になって参加したい気持ちもありますね。実は前から、歌ったり踊ったりしてみたかったので、ほんの少しずつ挑戦できているのは楽しいです。


ーー三雲華というキャラクターに共感する部分はありますか?


深田:華は、「自分は普通だ」とか「普通に生まれたい」と言っているんですが、全然普通じゃないので、なかなか共感しづらいです(笑)。共感できないというより、こんな人いないんじゃないかなと思います(笑)。和馬との恋愛も、いけないことをして怒られるよりは、いいことをして褒められたいなと思ってしまうので、共感しづらいです。


ーー主人公以外のキャラクターはいかがです?


深田:このドラマは共演者の方も演じるキャラクターも濃くて普通の人が出てこないですよね(笑)。もしかしたら犯人役の方が一番普通の人なのかもしれないです。でも警察一家も泥棒一家もそれぞれに家族愛があります。温かくて、結束していますよね。


ーー泥棒一家の不思議なバランス感が面白いです。


深田:栗原類さんは、25歳と大分年下にもかかわらず私のお兄さん役ですし、小沢真珠さんがお母さん役だったり。監督もプロデューサーさんも、年齢関係なしにキャスティングされているんじゃないかと思います。でも観ていて、渡部(篤郎)さんと真珠さんのお父さん・お母さんのコンビもすごく面白かったです。


ーー本作では、パロディシーンも豊富です。


深田:実はそういうシーンこそ監督がすごく真剣に撮っているので、私たちも真面目にやらなければならないという気持ちで挑んでいます。パロディだからとふざけてやってしまうと、それが面白いものではなくなってしまうので、やり過ぎないことを心がけています。そのあたりを監督が、「ちょっとやり過ぎ」とか「もう少し気持ちを込めて」と細かい演出をしてくださるので、お任せしています。


ーーあえて真面目にやることで笑いに繋がるんですね。


深田:このドラマは演じていても笑ってしまうようなシーンがすごく多いんです。例えば、和馬が警視庁の封筒から「これがLの一族と思われる女の似顔絵」と言って出した似顔絵がまたすごいシュールで、出すたびに笑ってしまいそうになるんです(笑)。それをこらえるのが大変です。作品の中にたくさんトラップがあって、現場で笑ってしまいそうになるんですけど、とにかく真面目にやらなければいけないので、笑いのツボに入らないように、一所懸命抑えています。「面白いよね」という気持ちを共有しちゃうとどんどん面白くなってしまうので、瀬戸さんと目を合わせないようにしています(笑)。


ーー瀬戸さんが、深田さんとのキスシーンで現場が大爆笑だったとおっしゃっていました。


深田:目を見つめながら近づいてくる時に、すごくわざとらしくバッグを落とすんです。ベタすぎて笑っちゃうんですが、監督は「バッグ落とすのいいね! それやろう!」と。個人的には、加藤諒さんが本当に面白くて、かっこいいですしセリフの言い方とかもツッコミどころ満載だなと思います。


ーー本作で、華さんは毎回ピンチに遭遇しますが、深田さんがピンチを感じる時はありますか?


深田:結構日々ピンチですね(笑)。なんでも大きく深刻に捉えちゃうので、「まあいっか」とか全然思えなくて。いつもピンチです。


ーーどうやってそのピンチから脱しますか?


深田:ピンチなままやっていますね(笑)。あまり切り替えもできないですし。ただ実生活ですごいドジを踏んでしまうんですけど、そういう時は、プライベートでドジをいっぱいして、人前に出る時はそういう事態にならないで済んでいるんだ、と思うようにしています。


(取材・文=安田周平)