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樹木希林さん世界デビュー作『命みじかし、恋せよ乙女』本編映像 内田也哉子からのコメントも

2019年07月31日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『命みじかし、恋せよ乙女』(c)Constantin Film Verleih GmbH/Mathias Bothor

 8月16日より公開される、昨年9月に亡くなった樹木希林さんの世界デビュー作であり、遺作となったドイツ映画『命みじかし、恋せよ乙女』の本編映像が公開された。


参考:動画はこちらから


 本作は、酒に溺れ人生を見失ったカールと、かつて彼の父と親交があった日本人女性ユウが、人生を取り戻すために共に旅をする物語。ドイツ人監督ドーリス・デリエによる本作の主演は、ドイツ人俳優ゴロ・オイラーと、日本人舞踏家の入月絢が務める。樹木さんは、カールが訪れる茅ヶ崎館の老女将役を演じている。


 2018年4月にドイツで、7月6日から16日にかけて日本での撮影を実施した本作。日本パートのロケは、主に神奈川県茅ケ崎市に実在する、有形文化財にも指定された旅館「茅ヶ崎館」で行われた。


『命みじかし、恋せよ乙女』本編映像
 公開された本編映像では、老女将(樹木希林)とカール(ゴロ・オイラー)が縁側に座り、美しい庭を眺めながら互いに心を通わせる様子が映し出されており、樹木さんが声を振り絞り英語で「ロンリー?(寂しいの?)」と尋ね、オイラーの肩を優しく叩くシーンも確認できる。


 デリエ監督は「私がこの老女将のキャラクターに求めていたのは、とても深いエモーショナルな知恵や知性を感じさせてくれる役者さんでした。それを演じられる方は非常に稀有な存在で、そのうちの一人が樹木さんでしたし、キャスティングには樹木さんしか考えていませんでした。私の夢のキャスティングでした」と語っている。


 さらに、本作をいち早く鑑賞した、樹木さんの実の娘である内田也哉子、北大路欣也ら各界著名人からのコメントも寄せられた。


コメント
内田也哉子(文筆家)
この映画の原題を直訳すると、「桜ともののけ」だ。
母はとりわけ、精一杯咲き、潔く散る桜を愛でた。
また、もののけとは、すべての無生物、超自然的な存在を指す言葉だという。
いささか大袈裟に言うなれば、役者という生業は、「もののけ」のようなものではないだろうか。
これ以上、しっくりくる題名の遺作は望めない、と思った。


北大路欣也
雄大な自然に放り投げられた人間、のた打ち回るも、無辺の世界で出逢ったおばあちゃんに、真実の光を見た。


キムラ緑子
鮮やかな映像と不可思議な話に惹きつけられ「生きる」ことの意味に静かに思いをはせることになりました。


片岡鶴太郎(俳優・画家)
不思議な映画である。独特な世界観。何が起きるのか目が離せない。最後まで気が抜けない。最後に 樹木希林の いのち短し。


YOU(タレント)
美しくて、切なくて、ロマンティック。久しぶりに希林さんに逢えた。もう少し生きますよわたしも!


立川志らく(落語家)
存在しているだけで感動する女優がこのスクリーンの中にいた。「ゴンドラの唄」を歌う樹木希林だ。 (文=リアルサウンド編集部)