ミド・オハイオ・スポーツカーコースで開催されたインディカー・シリーズ第13戦。名門チップ・ガナッシ・レーシングからインディカーに初挑戦しているフェリックス・ローゼンクヴィストが2位に入り、インディかー初表彰台を獲得した。
今シーズン、エド・ジョーンズに代わってディフェンディングチャンピオン、スコット・ディクソンのチームメイトを務めるローゼンクヴィスト。
ルーキーシーズンながら、その非凡なスピードを披露。インディカーGPではポールポジションを獲得するなど、予選では上位に何度もつけ、ディクソンを上回るグリッドを獲得することもあった。
しかし、決勝ではなかなか結果を残せず、開幕戦のセント・ピーターズバーグとデトロイトでのレース1の4位が最上位となっていた。
残り5戦となったミド・オハイオ戦。ローゼンクヴィストは予選6番手から決勝レースに挑むと、チームメイトのディクソンと同じくペンスキー勢を上回るレースペースを披露。
2番手で最終スティントへと向かった。先にピットインしていたディクソンはレッドタイヤをチョイス。ローゼンクヴィストは、ほかのドライバーと同じくブラックタイヤを選択。
終盤、10秒以上あったふたりの差は徐々に縮まっていく。しかし、初優勝へ向けてディクソンを追うローゼンクヴィストだったが、目の間にはポジションを争いを繰り広げる周回遅れのドライバーたちが立ちはだかる。
1台ずつ交わしていく、ディクソンを捉えたのは残り2周。ファイナルラップには両者のホイールがぶつかる場面もあったが、ディクソンの巧みなコース取りを攻略できず、ローゼンクヴィストは2位でレースを終えた。
優勝を逃すも、インディカー初表彰台を獲得したローゼンクヴィスト。チームメイトとのファイナルラップの攻防に対し、「僕たちは将来の見通しを守る必要があると思っている。今日は初めての表彰台で、チップ・ガナッシ・レーシングは1-2フィニッシュを果たした。正しい戦略と、勝利に値するペースを持っているときは、その判断は難しいよ」
「目の前には周回遅れのクルマが5台もいて、(ディクソンに追いつくには)とても困難だったし、失望していた。ストラテジストのバリー(ワンサー)は、僕を落ち着かせようとしてくれ、僕たちは1台ずつ交わしていった。(マックス)チルトンやマルコ(アンドレッティ)を交わすため、たくさんのプッシュ・トゥ・パスを使ったよ」
「彼らはポジションのために戦っていたけど、それがなかったらと残念には思った。けれど、それはそれだよね。レースをさせてくれたチップ(ガナッシ)には本当に感謝したいよ。ファイナルラップ、みんな本当に楽しんでくれたと思う。ターン2ではホイールがぶつかって、少し刺激的だったね」
「スコット(ディクソン)は常にハードに戦うけど、フェアーなんだ。僕も同じようにしたと思っている。あと1周あったら、最高だったよ」とコメント。
ディクソンもレース後に、「厳しいディフェンスをしてローゼンクヴィストには申し訳なかった。チームメイトじゃなかったら弾き飛ばされていたかもしれない」と語り、フェアなバトルに感謝をしていた。
ローゼンクヴィストは41ポイントを追加し296ポイントでランキング9位に。ルーキー・オブ・ザ・イヤー争いでは、2番手につけるサンティーノ・フェルッチとの差を37ポイント差に広げている。
ローゼンクヴィストは、すでにディクソンがシーズン前に求めた速いチームメイトという条件はクリアしているだろう。優勝を逃したが、初表彰台を獲得しプレッシャーからは少々解放されたかもしれない。この勢いでインディカー初勝利を掴むことができるだろうか?