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ホンダ山本MDインタビュー:オーストリアGPの勝利がもたらしたホンダF1の好循環。「大きな自信に繋がり、ドイツの2勝目に活かせた」

2019年07月30日 07:51  AUTOSPORT web

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2019年シーズンの2勝目を挙げたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
またもホンダF1が、やってくれた。しかも今回は、F1第9戦オーストリアGPからわずか2戦目の第11戦ドイツGPで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが2勝目にとどまらず、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが3位表彰台を獲得した。山本雅史マネージングディレクターは、それがことのほかうれしいと語るのだった。

――オーストリアから、わずか2戦目の勝利。まさか勝つとは、という感じですか?
山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):オーストリアの勝ち方が本当によかったですから、今回は安定の勝利という印象です。もちろん、ものすごくうれしいです。

 ただ今回は、去年からいっしょに苦労してきたトロロッソが3位に入った。それが最高にうれしいですね。

 実はトロロッソをいかに表彰台に上げるかと、僕なりにずっと考えていた。なのでクビアトが表彰台に立ったのは非常にうれしかったし、今日の彼らは本当にいい仕事をしてくれました。感動しました。


――トロロッソが表彰台に上がった意味は、非常に大きいということでしょうか。
山本MD:その通りです。トロロッソといっしょに表彰台を争って行くことが、ホンダにとっての本当の強さだと思っていますから。

 レッドブルは車体性能が優れているし、チーム戦略や総合力が凄い。そこにホンダが貢献できるよう、努力しているわけです。

 それがトロロッソの場合は、“いっしょに育って行こうよ”みたいなところがあって、そこには僕の個人的な思いもあるので、今日の3位はひときわうれしかったですね。(アレクサンダー)アルボンも一時期は2番手を走っていましたし、今日はちょっとしたトロロッソデーでしたね。

――予選まではずっと手こずってたし、ライバルたちは大幅に車体アップデートを繰り出しています。その意味でもまさかの表彰台でした。
山本MD:本当にそうです。この天気が、トロロッソにとっては恵みの雨だったことはまちがいない。でもそれをしっかり活かしたのは、彼らの実力です。

 マックスだって大スピンしているし、スタートも大失敗している。またメルセデスが2台とも自滅しましたが、どの位置にいても全員が限界まで攻めてひとつ間違えれば、リタイアする覚悟で走ってる。

 それがF1の凄さなんですけれど、その中でトロロッソのふたりは、水を得た魚のように走っていたのが本当にうれしかった。トストさん(トロロッソのフランツ・トスト代表)も最高に喜んでいて、僕も心からよかったと思いました。

 もちろんレッドブルもシーズン前半で2勝できたことが、本当によかった。とにかくオーストリアの勝利が、われわれホンダにとっても大きな自信になった。それが次のイギリスや今回のドイツに活かせた。次のハンガリーも、いい夏休みを迎えられるようなレースをしたいですね。


――オーストリアの初勝利のあと、サクラ(栃木県の本田技術研究所:HRD Sakura)には行きましたか?
山本MD:いえ、まだ行くことができていません。浅木(泰昭/HRD Sakuraのセンター長)が本社に来た際、話を聞かせてもらいました。

――雰囲気は変わりましたか?
山本MD:もちろんです。ミッションルームでレース中のビデオも見ましたけど、みんなのやる気がいっそう加速している。あの勝利で、本当にいい方向に向かっています。

――F1全体で見ても、この3戦連続してものすごく面白いレースが続きました。そしてそのすべてに、ホンダが絡んでいます。
山本MD:そうなんですよ。最高ですねえ。

――(ヘルムート)マルコ博士が「年間5勝」の目標をぶち上げた時は、ええ~?と思いましたが。
山本MD:現実的になってきましたよ(笑)。マックスは去年以上に成熟したドライバーになっているし、次のハンガリーも本当に楽しみです。