2019年F1第11戦ドイツGP決勝で5位~優勝のドライバーたちが日曜日を振り返った。
■マクラーレンF1チーム
カルロス・サインツJr. 決勝=5位
とても内容の濃いレースになり、F1全体にとっていい一日だった。僕自身について言えば、5位フィニッシュに心から満足している。ポディウムに上がるチャンスがあったのは確かで、終わってから「あそこまで行けたはず」と言うのは簡単だ。だけど、僕はセーフティーカーが出た時点で5番手にいて、そこでピットに入ってスリックに履き替えるかどうかは、とても難しい判断だった。周囲のドライバーは誰もピットに入ろうとしていなかったしね。結局、僕らはピットインしないことに決めた。ずっと後方にいた連中には、そのリスクを取れるだけのマージンがあったんだ。
全体として、僕らは正しいタイミングで正しい判断ができた。プレッシャーのかかる状況にもかかわらず、うまくマネジメントされたクレバーなレースをしたということだ。チームのみんなに、本当によくやってくれたと感謝したい。
■スポーツペサ・レーシングポイントF1チーム
ランス・ストロール 決勝=4位
心から満足している。本当にスゴい一日だった! このレースで起きたいろいろなことを考えると、4位入賞は最高にうれしいよ。僕はレースの大半を通じて、フィールドの後ろの方を走っていた。2回ほどスピンをしたし、全部で5回もピットストップをしたのだから、最終的に4位というのは信じられないような結果だけど、それと同時にポディウムに上がりそこねたことにも落胆している。
決定的な瞬間は、スリックに履き替えてから2周目か3周目にターン8で犯したミスだったと思う。そこでダニール(・クビアト)に抜かれてしまったんだ。その後は、自分より速いクルマを何とか背後に抑えようと努力したが、残念ながらポディウムには届かなかった。
今日のレースは、決してあきらめてはいけないことを示す好例だった。レースが本当に終わるまでは、何が起きるか分からない。
チームにとって大きな価値のある結果を持ち帰ることができてうれしい。フィニッシュラインを通過する時、ピットウォールでクルーのみんなが喜んでいるのを見て、何とも言えない気分になったよ。この重要なリザルトはチームのみんなのものだ。今日はこの喜びを存分に味わいたい。
■レッドブル・トロロッソ・ホンダ
ダニール・クビアト 決勝=3位
“セカンドキャリア”でまた表彰台に乗ることができたなんて信じられない。人生のなかでもう二度とないだろうと思っていた。だから言葉にできないほどうれしい。今は感情が高ぶっていて、現実として受け止めるには少し時間がかかりそうだ。
トロロッソにとって表彰台は、11年前(2008年)のモンツァでセバスチャンが勝った時以来だ。だからチームにとってすごいことだと思う。
本当に最高の一日になった。ハッピーだよ。チームの全員にお礼を言いたい。上位争いをするための準備はしっかりできていた。今年の僕は成長したと思う。前より冷静になったから、トップで戦う準備が前よりも整っていたと思う。今日はそれを自分自身に対しても、周囲の人たちに対しても、証明してみせた。こういう結果が当たり前になるといいね。
難しいレースで、人より早くピットインするという判断を下すのは簡単なことではなかった。でもチームと僕と、フィフティーフィフティーで決めた。僕らは勝つ時も一緒、負ける時も一緒だ。そうして今日は勝つことができた。
(レース後、formula1.comに対して語り)クレージーなレースだった。ブラックコメディの要素があるホラー映画のようだったよ。一時は「もう終わった」と思ったけれど、再びチャンスが訪れた。ローラーコースターのような展開だ。僕のキャリアに少し似ているね。
昨日の夜、娘が生まれたんだ。まだ名前もつけていない。この後、家に帰って、(家族と)一緒に決めるつもりだよ。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=2番手
すごいレースだったね。苦労したし、運に左右される部分もあったけれど、楽しんだよ。でも本当に長かった。あまりに長く感じて、全部は覚えていないぐらいだ。
すごくきつい場面もあって、滑りやすいコンディションでインターミディエイトタイヤを装着して走っている時は大変だった。
スタートから数周の間に大きく順位を上げたんだ。その後は、なかなかリズムに乗れず、インターミディエイトではあまり快適に走れなかった。デグラデーションも本当に大きかったしね。グリップが低いのは路面が滑りやすいせいなのか、タイヤがだめになってきているせいなのか、判断しづらかった。
この手のレースでは、最後の最後まで、何も確信は持てない。最後のセーフティカーが出動した時に僕はまだ8番手ぐらいだった。乾き始めの路面の複雑なコンディションでスリックを履いている時には、快適に走れた。その時にたくさん順位を上げることができたんだ。今日はいくつも判断を下さなければならなかったが、しっかりコース上に残って最後まで走り切った。
■アストンマーティン・レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 決勝=1位
これほど難しいレースでトップに立つなんて最高の気分だよ。レッドブルがホンダとともに今年2回目の勝利を挙げた。すごいことだ。
スタートで何が起きたのか、はっきりとは分からないけれど、グリッド右側のドライバーは皆、グリップが足りず、蹴り出しが悪かったようだ。そのなかでも僕のスタートは特にひどかった。でも、冷静さを保って、メルセデス勢にぴったりついていった。ダーティエアの影響で追い抜きが難しく、路面が乾いてくるにしたがってタイヤも厳しくなってきた。
でもそれから先、僕らはすべて正しい判断をしたと思う。最初のスリックタイヤ(ミディアム)は硬くて、何度か態勢を崩し、360度スピンもしてしまったけれど、幸いレースを続けることができた。
インターミディエイトに戻してトップに立ってからは、レースをコントロールし、マシンの本来のペースを発揮することができた。先頭を走っていると、あまりリスクを冒さずにすむし、すべてが楽になる。
とても難しいコンディションだったから、何よりも生き残ることが重要だった。コンディションが変化し、簡単なレースではなかった。
チームはすべて正しい判断をしてくれた。ライバルチームの動きを見張り、セクタータイムをチェックし、適切な情報を伝えてくれた。すべてをうまく進行し、全員がうまく連携を取って動いていた。僕にとって今まで一番難しいレースのひとつだと思うけど、そのレースで勝てたことがうれしい。
ウエットで走ることは大好きだが、走りを楽しむためには優れたマシンが必要だ。それによって自分自身からも速さを引き出すことができるんだ。今日はそのふたつの条件が揃っていたと思う。大満足の結果だよ。
僕がトップに立つと、オレンジ色のファンが立ち上がって喜んでくれた。見ていてうれしかったよ。
チームの全員に感謝する。クレージーだけど、最高の日曜日だった。