トップへ

煮え切らない坂場の本心はいかに? 『なつぞら』なつとの恋路に進展はあるのか

2019年07月29日 12:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『なつぞら』写真提供=NHK

 『なつぞら』(NHK総合)第18週の初日では、恋仲が噂されるなつ(広瀬すず)と坂場(中川大志)のやりとりが面白い。


参考:『なつぞら』第104話では、なつ(広瀬すず)の同僚・茜(渡辺麻友)が結婚することになり……


 昭和39年正月、新しい年を迎えたなつは、東洋動画の新年会に出席する。なつが原画を担当したテレビ漫画『百獣の王子サム』は大成功をおさめ、東洋映画社長あらため会長となった大杉満(角野卓造)も満足そうな表情を浮かべる。


 だが、大杉による新年の挨拶に、坂場と神地(染谷将太)はどこか不服そうだ。特に坂場は、いつもと変わらない口調で「作り手の理念と経営者の理念を一緒にされては困ります。芸術家的な野心がなければ、我々の仕事は向上していきません」と持論を展開した。


 そんな坂場だが、喫茶店では気落ちした様子を見せた。「もう映画には戻れない」と漏らす坂場。坂場は仲(井浦新)に嫌われていると考えている。坂場はあまり感情を表に出さないが、仲との関係やアニメーションの今後について悩む姿が視聴者にはひしひしと伝わってくる。しかしなつにとってその姿は「煮え切らない態度」にしか映っていないようだ。


 そんな中、桃代(伊原六花)が「一久さんと付き合ってるから?」と無邪気に切り込むと2人は動揺する。「あくまで噂ですよね」とはっきり否定しようとしない坂場に、なつは「ただの噂だと思うなら、どうしてそれを否定しないんですか」と語気を強める。「君が、すればいいよ」とたじろぐ坂場に、なつはため息をついた。


 帰り道、「まったく、あんなに煮え切らない奴だとは思わなかった」と呟いたなつ。だが、亜矢美(山口智子)の悲恋話をきっかけに、坂場への思いが変わるのかもしれない。「一生をかけても、あなたと作りたいんです」と発した坂場の思いが、なつに届くことを期待したい。


■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。