子育てしながら働く上で欠かせないのがパートナーとの助け合いです。子育てママの有職者が半数を超える昨今、夫婦の話し合いやパートナーシップは、子育てしながら働く家族にとって大事なテーマとなっています。
日本はまだ、「女性が家事育児を抱え、できる制限範囲で仕事をする」「収入や稼働時間の少ないほうが家事育児を負担する」という考えになりがちですが、性差に関係ない強みでの助け合いや役割意識の見直しの必要性は、よく話題に上がるようになりました。
前回の記事でも、復職前に夫婦で話したいことを書きましたが、今回は違った角度でのパートナーシップ改善方法をご紹介しようと思います。(文:時短ママ戦略活用アドバイザー谷平優美)
二人でのデート、互いに興味を持つ、結婚前にしていたことを少しでも続ける
鍵になるのは、「子どもばかりに関心が向いていて自分への愛情が感じられない」「プライドが邪魔して自分からは折れられないから妻から愛情表現してもらいたい」という夫の声です。早く帰宅しよう、家事育児を一緒に分担しようという話の前に、それらに前向きに取り組める夫婦関係は作れていますか。こうした本音に応えてあげることは、良好な関係作りに重要な要素のようです。
こうなると「なんで自分が折れなきゃいけないの!」という声が聞こえてきそうです。しかしそこは、何とかできるほうから歩み寄り、夫婦関係に加え家事育児の分担、子育て後の2人の生活がよくなるなら安いもの、と思った方が賢明かもしれません。
出会った頃の初心に返り意識して行動を変えた結果、夫婦関係がよくなった、夫がすすんで家事育児を手伝ってくれるようになった、という声も聞きます。大事なのは「お互い結婚前にしていたことを少しでも続けること」。具体的には、
・2人でデート
・相手に喜んでもらえるおしゃれ、身だしなみや化粧
・お互いに興味をもつ、お互いを知る会話
・話し方、伝え方
などです。
夫婦2人だけで暮らす期間を意識してパートナーを大事にする
劇的に変えるとびっくりされるので、徐々に変えるのがポイントです。「相手は空気みたいなもんだから」と、どうせ変わらないと諦めるのも、目標達成のためにとりあえず試してみるのも、決めるのはあなた次第です。
子どもはいずれ、子どもの人生を歩みます。夫婦2人で暮らす人生のほうが、子育て期間中より長いのです。そう考えると子育て中から、夫婦としての人生を意識したほうが幸せです。結婚前の自分と今の自分を比較して気付くことはありませんか?面倒くさい、疲れるから、などの理由で、パートナーとのコミュニケーションをおろそかにしていませんか?
前はもっと、相手の喜ぶ顔を楽しみに記念日をお祝いしたり、おしゃれしたり素直にありがとうも言えていたのに、確かに最近やってない、なんて声もよくあります。愛情表現を続けていたら、妻側も夫にもっと優しくなれたりします。もちろん夫側も同じ。
すべては家事育児分担を話し合うパートナーシップの土台と、子育て後のよい夫婦関係のため。自分も夫婦関係もいつでも変われると信じて、少しずつ初心に返ってみる価値はあると思います。
【筆者プロフィール】
谷平 優美
時短ママ戦略活用アドバイザー/株式会社ルバート代表取締役。早稲田大学商学部卒業後、総合人材サービス会社で新規事業立上げ・執行役員を経て、 株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。WEB企画・マーケティング、法人営業を経て退職。出産前後には専業主婦やフリーランスも経験。サロン講師、就職講座講師やキャリアカウンセリングをしながら、無理ない子育て中の働き方を模索するも待機児童となり認証保育園を利用しながら活動。転職支援・キャリア教育に関わった経験と、出産後に感じた様々な社会への違和感に何か発信をしたいと2012年にママハピを創業。2018年、社名変更後は時短ママのジョブシェア体制で事業運営。J-WAVEやフジテレビライブニュースα、東洋経済、NewsPicksなどメディア実績多数。2児の母。