マックス・フェルスタッペンは2番手、ピエール・ガスリーも4番手を獲得したF1第11戦ドイツGP予選のレッドブル・ホンダ。ただし、それはフェラーリがパワーユニット(PU/エンジン)に不具合を発生させて、セバスチャン・ベッテルがQ1で敗退し、Q3に進出したシャルル・ルクレールがQ3でパワーユニットにトラブルを発生させてアタックできなかったうえでの結果。
3回のフリー走行でいずれもトップだったフェラーリが問題なくアタックしていたら、同じ結果にはなっていなかった可能性が高い。それは2番手のフェルスタッペンがポールポジションのルイス・ハミルトン(メルセデス)からコンマ4秒離されていることでもわかる。
もうひとつ、この日のレッドブル・ホンダは日曜日に向けて、不安材料がある。それはスタート時に装着するタイヤが、メルセデスがミディアムであるのに対して、レッドブル・ホンダはソフトだということだ。
じつはレッドブル・ホンダもQ2でフェルスタッペンはミディアムでトップ10入りをもらっていた。ところが、アタックに入った直後にストレートでパワーを失い、ピットインした。
「モードを変えてアタックに入った瞬間、ストレートでPU側に不具合が出て、パワーが少し落ちたため、アタックを取りやめて、ピットインしてもらいました」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)
前戦イギリスGPの予選では、フェルスタッペンにラグの問題が起きたが、今回はそれとは異なるという。
いずれにしても、夏のドイツGPはタイヤがオーバーヒートしやすいため、スタート時のタイヤは戦略上、非常に重要になる。Q2でミディアムを履いてコースインしたものの、ストレートでパワーを少し失ったフェルスタッペンはピットイン。レースでのタイヤ戦略と確実にQ2を突破するために、チームはここで予定を変えて、フェルスタッペンにソフトを装着させた。
「『大きなディスアドバンテージになりかねない事態の原因を作ってしまい、大変申し訳ない』と謝ったら、『明日は雨だから、心配するな』と言われました」(田辺TD)
ポジティブだったのは、チームメイトのガスリーが予選でフェルスタッペンに肉薄するタイムを叩き出したこと。ガスリーは前日のクラッシュでモノコックを変えていたため、今日の走りが心配された。
しかし、最後のアタックではフェルスタッペンから約100分の7秒差となる1分12秒180をマーク。最後のコーナーでコースをはみ出していたため、タイムは無効となったが、前日のクラッシュの影響を感じさせず、イギリスGP同様、力強い走りが戻ってきたことはレースに向けて明るい材料だ。
フェルスタッペンの2番手も、ガスリーの4番手も、今シーズンのレッドブル・ホンダとして、最高の予選結果だった。