一口にブラック企業といっても、判別が難しいケースもある。厚労省のガイドラインを見るのももちろんだが、やはり生の体験談も参考になるだろう。キャリコネニュース読者から寄せられたブラック企業体験談を紹介する。
バスガイドだった20代の女性は、高校を卒業後に地方から上京して入社した。初出勤早々、上層部から「皆さんが1番気になるお給料の面ですが辞めてしまう人が多いので、お給料は2か月後にまとめてお渡します」といわれた。
待ちに待った初任給は2か月分で7万円。求人票には総支給額が14万円、手取り額で11万円と書いてあった。我慢して続けたが、初ボーナスは5000円。
「『貴方達みたいな新人にも社長がボーナスを支給してくれます!感謝しましょう』と言われました…」
結局、1年で退社したが、最高月給は12万円だったという。思い返すと東京にある会社にも関わらず、同期60人のうち東京出身者は1人いなかったという。
「高卒の何も分からない地方出身者だと、上京する際にそれなりの費用が必要になるので、すぐに帰る(辞める)事が出来ないですよね。だから地方出身者ばかり狙っているんだと思いました」
100円ライターを訪問販売する仕事で「深夜なのに3時間も立たされて説教されました」
IT系エンジニアの30代男性は、募集要項と社風のギャップに辛酸を舐めた。
「募集時に『新規・飛び込み営業なし』を詠いながら、新人研修や業務では『新規・飛び込み営業しかない』と指導されました。定時が17時15分にも関わらず、17時前の帰社を許さない職場環境でした」
毎月の残業も80時間以上だったという。会社側は「通勤1時間以内の営業所に配属する」といいながら、実際にはその1.5倍の通勤時間となる場所に配属された。結局、配属先の近くに移り住んだが、手当や一時金は「県外からの通勤者のみ」との理由で断られた。
また、100円ライターを訪問販売していた40代の男性は、「深夜なのに3時間も立たされて説教されました」と振り返る。
早く帰ると、朝礼時で「会社に対して非協力的だから態度を改めるように」と吊るし上げ
クリエイティブ職の30代女性は、一族経営の町工場で働いていたときのことを綴る。女性たちが使う事務所は、エアコンの使用に決まりが設けられていた。
「冬の暖房は午前中のみ、夏の冷房は午後のみという決まりでした。猛暑の年には『グリーンカーテンで暑さを凌げ』とヘチマの種を支給されました。でも社長一家のみ立入りOKの事務所は常時、エアコンで快適な室温が保たれていました」
また、工場長である社長の息子も容赦はなかった。手取り月12万円弱で、ボーナス・残業代はないが、定時退社は許されず、最低3時間のサービス残業が義務化されていた。
「早く帰ろうものならば、朝礼時に名指しで『会社に対して非協力的だから態度を改めるように』と吊るし上げ状態でした」
ブラック企業の特徴を紹介したが、「うちの会社もそうかも……?」と参考にならないことを祈るばかりだ。
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