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「叱らない育児」に不満訴える人多数 「新築の我が家で3歳の子どもがやりたい放題」「テレビ台の上で飛び跳ねられた」

2019年07月27日 08:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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「友人が『叱らない育児』とやらを実践しています」と怒る人が、7月22日のガールズちゃんねるにトピックを立てました。「『叱らない育児』被害者の方」と呼び掛けるタイトルで、

「新築の我が家で3歳の子どもがやりたい放題。散らかそうが勝手に家中を触ろうが一切怒らず。『叱ると子供の自尊心を傷つける』そうです」

と憤ります。「皆さんも"叱らない育児"の被害にあったことありますか??」と問いかけると、コメントが1000以上も入りました。(文:篠原みつき)

「叱らない育児の解釈がおかしい親は本当に迷惑」

アドラー心理学をはじめ「叱るより褒めて伸ばそう」などの子育て論は、筆者の子どもが幼いときから見聞きしましたから、もう10年以上も人気の教育論でしょう。トピ主の呼びかけには、

「その人は単に怒るのが面倒臭いだけだよね」
「こういう叱らない親が将来子供の会社に乗り込んでいくんだろうなw」

と批判的な声が相次ぎ、同時に様々な被害体験談が語られています。

「うちに呼んだ時、テレビ台の上で飛び跳ねられたわ。 母親は見ててもスルー わたしが何度も何度も下ろして『落ちたら危ないからのぼらないでね』って相手してた。 2度と遊ばないと決めた」
「うちの子が一生懸命作ってたものを壊したのに 『わかるよー気持ちわかるよー』って抱きしめてて鳥肌たった」

「叱らない」を心掛けるあまり、他者への配慮がすっぽり抜け落ちている様子です。また、新生児の目に指を突っ込まれて「あっ!」と叫んだらその子が泣きだし、「なでなでしたかったんだよね~」と自分の息子を慰めただけ、というエピソードも。危険なことをしていたので止めただけなのに、その親に文句を言われた人も多数いました。

叱りすぎの虐待が問題になる一方、全く叱らないのも問題がありそうです。コメントに、「叱らない育児の解釈がおかしい親は本当に迷惑」といった批判が出るのも分かります。

尾木ママは、「他人に迷惑をかけても叱らなくていい」なんて言っていない

コメントには、「叱らない育児って誰が言い出したの?」と、疑問を呈する声が複数あり、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さんを挙げる人もいました。

確かに、尾木ママにはタイトルそのまま『叱らない子育て論』(2011年出版/主婦と生活者)という著書があります。しかし、他人に迷惑をかけても叱らなくていいなんてことは、書いていません。頭ごなしに叱りつけることは、子どもの好奇心や知識欲を抑えつけてしまう恐れがあるとのことですが、

「いけないことをしたときには、しっかりダメだということも教えてあげることももちろん必要ね」

としています。子どもの気持ちは尊重しつつ、いけないことはいけないと、教える必要はあるのです。

とはいえ、叱り方というのは難しく、人間ですから感情のままに叱ってしまうこともあります。筆者も子どもができる前は、悪いことをしたら普通に叱ればいいと思っていましたが、実際に子育てしてみると年齢や場面、その子の性格によっても異なり、そう単純ではないとわかりました。親は叱っているつもりでも、「他人から見ると生ぬるい」こともあるでしょう。育児の不安から特定の教育論にたより、極端なやり方に走る人がいるのも分かります。

コメントの中には、叱られないで育ったので打たれ弱く、会社勤めも友人関係も続かないと嘆く人がいました。「まったく叱らない子育て」によって子どもが後々困る恐れもあります。まずは大人が、場面に応じた叱り方を考え、対応力を深める必要があるのでしょう。