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「BABA嵐」を面白くする嵐5人の全力投球ぶり 相葉雅紀が6度目“最弱王”に輝いた神回振り返る

2019年07月27日 06:11  リアルサウンド

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リアルサウンド編集部

 7月25日に放送された『VS嵐 2019夏 豪華2本立てSP』(フジテレビ系)内の人気企画「BABA嵐」で、相葉雅紀が通算6度目の“最弱王”に輝いた。ある意味栄冠とも言える史上最多の最弱王となった相葉。目に涙を浮かべて悔しがる彼の姿に、ネットでも「泣かないで」「相葉ちゃんよく頑張った」「むしろおめでとう」など、様々な反響が寄せられている。


(関連:『VS嵐』人気企画「BABA嵐」、“アニキ会”KAT-TUN 上田竜也登場 相葉雅紀に続く“最弱王”は?


 嵐の5人が、俳優や芸人など、トランプゲームの実力に関しては未知数の著名人たちと「ババ抜き」というごくシンプルなゲームで渡り合う「BABA嵐」。2013年の初回開催以来、シンプルな構成だからこそ味わえるドラマチックな展開に、嵐ファンや番組のファンのみならず多くの視聴者が魅了されてきた。


 6年目に入った今回の放送でもそのドラマチックさにはさらに磨きがかかり、数多くの名場面が誕生した。KAT-TUNの上田竜也、橋本マナミ、佐藤隆太、そして櫻井翔が出場した第1予選では、櫻井を「アニキ」と慕ってやまない後輩が集まる“アニキ会”のメンバーである上田が、櫻井を決勝へ進ませたくない一心で手札にババがないにも関わらず“シャッフルボタン”を連打。その後櫻井の代わりに“身代わり敗退”するなど、“アニキ”への忠誠心を見せつけて不思議な存在感を放っていた。また、大野智、戸次重幸、デヴィ夫人、西川貴教が奮闘した予選第2試合では、大野とデヴィ夫人の白熱したジョーカーのやり取りに注目が集まる。2人の間で何度も行ったり来たりするジョーカーに大野は思わず苦笑。ティーカップで優雅に紅茶を口にするデヴィ夫人の余裕ある姿との対比にスタジオでも笑いが起こっていた。なんとか決勝進出を免れた大野だったが、あまりの焦れったいジョーカーのやり取りに緊張の糸が切れたのか「もうババ抜きやりたくない……」と子供のようにテーブルに突っ伏していたのが印象的だった。


 山口智子、田村淳、加藤諒という濃い面々を相手に冷静沈着に渡り合った二宮和也や、滝沢カレンやMattの未知数な振る舞いに翻弄されながらも遠藤憲一と一騎打ちに持ち込んだ松本潤など見所は尽きないが、やはり最大のハイライトは二宮が「アダムス・ファミリー」と称した決勝大会だろう。前回最弱王の相葉が待つ決勝に集結したのは、上田、デヴィ夫人、加藤、そして松本という個性豊かすぎる面々。「最弱王」の称号が背中に描かれたジャケット姿で緊張した面持ちの相葉は、「松潤来てくれて良かった! ほら、ここにいると松潤が薄く見える」と安心したように口にし、笑いを誘った。


 松本の存在によって緊張が緩んだ様子の相葉だったが、スタジオの櫻井に「泣かないでね」と優しく声をかけられるとすぐさま表情を引き締め、「泣かないよ! 負けないもん」と胸を張る。収録前に神社へ足を運び、おみくじで大吉を出したと豪語する相葉だが、「BABA嵐」企画でも頭脳戦に特に強くメンバー内でも唯一最弱王に選ばれたことがない“策士”二宮には、「彼はおみくじで大吉引いた時に運使い果たしてますからね」と言われてしまう。彼のそんな言葉を裏付けるように試合開始早々にしてジョーカーを手にしてしまった相葉は開始早々から不安げな表情に。健闘の甲斐あってか一度は相葉の手を離れたジョーカーだったが、シャッフルタイムで見事にその手元に帰還。結果的に相葉が驚異的な“引きの強さ”を見せることで試合は決着した。


 持ち前の“ミラクル”が仇となったかのように6度目の最弱王に輝いてしまった相葉。負けが見えてきた頃合いから顔をくしゃくしゃにして、目に涙を浮かべ泣き出しそうな表情を見せていたのが印象的だった。試合が始まる前には緊張した面持ちでありながらも強がって見せ、最終的に幼い少年のような表情で悔しがる相葉の振る舞いからは、愚直なほどに目の前の課題に真っ直ぐに向き合う、天真爛漫で損得勘定のない素直さがこれでもかと溢れ出していた。


 また、そんな相葉の様子を弄りながらも逐一フォローやツッコミを入れるメンバーの様子も実に微笑ましい。おみくじを引いた神社で祈祷も受けてきたと発言していた相葉に対し、大野が放った「お祓いした方がいい」という冷静な一言は、相葉の健闘をなによりも面白く、そして人間味溢れるエンターテインメントに昇華してくれたように思えた。


 「BABA嵐」がこれほどまでに長く、幅広い層に指示されるコーナーとなったのは、相葉をはじめとする嵐のメンバーが誰よりも全力で勝負を楽しみ、臨んでいるからではないだろうか。いわば番組の“座長”である5人が常に全力投球で挑んでいくことで、ゲストもババ抜きというシンプルなゲームに本気で挑むことの楽しさを実感し、「大の大人が全力でババ抜きをする」という姿に視聴者も釘付けになるのだろう。スタジオで見ている嵐メンバーのプレイヤーへのフォローやツッコミも、常に全力投球で行われている。それがさらに試合の面白さを演出し、嵐メンバーはじめ出演者の魅力をより引き出しているように思える。


 この、嵐の座長としての“全力投球ぶり”は、「BABA嵐」のみならず『VS嵐』の全てのコーナーに通ずるものがある。いつも全力で挑み、全力でツッコミ、全力でフォローし合って支え合う姿に視聴者もゲストも惹かれるのだろう。今回の放送は、楽しむことに全力な嵐の姿が、“最弱王”相葉を中心に改めて垣間見えた“神回”だった。今後の「BABA嵐」、そして『VS嵐』からも引き続き目が離せない。(五十嵐文章)