トップへ

SCB第5戦:フル参戦2年目のネルソン・ピケJr.、2019年初表彰台を獲得

2019年07月26日 16:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

SCBフル参戦2年目で、自身3度目となる表彰台を獲得したネルソン・ピケJr.
同国出身のスタードライバーが多数参戦し、南米大陸ブラジルで最大の人気を誇るツーリングカー選手権、SCBストックカー・ブラジルの第5戦がサンタ・クルス・ド・スルで開催され、レース1はフリオ・カンポス(Prati-Donaduzzi Racing)が2019年シーズン初優勝。そしてアクシデント満載のレース2では、リカルド・マウリシオ(Eurofarma RC)が勝利を飾るとともに、フル参戦2年目のネルソン・ピケJr.(Texaco Full Time Sports)が今季初の3位表彰台を獲得した。

 ブラジル最南端に位置するリオグランデ・ド・スル州の国際トラックで開催された2019年シーズン第5戦は、7月20日(土)の予選からカンポスが好調さを見せポール・ポジションを獲得。続くレース1でも安定したラップを刻んだパープルのマシンは、ピットストップでも迅速な作業を見せトップでコース復帰すると、選手権首位で今季のル・マン24時間LM-GTE Pro覇者となったダニエル・セラ(Eurofarma RC)を1秒067秒差で抑え、27周のトップチェッカーをくぐり今季初優勝を飾って見せた。

 セラに続いてShell V-Power Racing、アッティラ・アブレウが3位表彰台に立ち、マックス・ウィルソン(RCM Motorsport)、元F1ドライバーのリカルド・ゾンタ(Shell V-Power Racing)のトップ5に。10位ルーカス・フォレスティ(Vogel Motorsports)、9位ルーベンス・バリチェロ(Full Time Sports)が21日(日)のレース2に向け、リバースグリッドのフロントロウを手にすることとなった。

 その日曜、27周の決勝レース2はスタートから波乱満載の展開となり、オープニングで7台のマシンが絡むアクシデントが発生。このマルチクラッシュでマルコス・ゴメス(KTF Sports)、ブルーノ・バプティスタ(RCM Motorsport)、ラファエル鈴木(Hot Car Competições)、マルセル・コレッタ(Cimed Racing)、アラン・コデール(Blau Motor Sports)、そしてアブレウが巻き込まれて戦列を去り、遅れてスピンを喫したセザール・ラモス(Blau Motor Sports)が、女性ドライバーのビア・フィゲレイド(Ipiranga Racing)のマシンに激しくヒット。これらの事故処理に向けセーフティカー(SC)が導入される。

■ピケJr.「クルマが不調のなか、こんな位置にまで戻ってこられたことが信じられない」


 リバースポールシッターでアクシデント回避なったフォレスティに加え、前戦R1で戦略的にタイヤ温存や給油量を確保して下位に沈んでいたマウリシオやデニス・ナバーロ(Cavaleiro Sports)らが、ピットストップを契機に上位浮上を果たしてくるなか、その主人公のひとりとなったのがR1で16位のピケJr.だった。

 土曜はマシン不調から予選ポジションが24番グリッドとなっていたピケJr.は、戦略的にレース1のリザルトを諦めレース2に照準を合わせたストラテジーを選択。レース2に向けパルクフェルメ・インとなるスポーティングを逆手に取り、R1でのピットストップ時間を長く取って給油量を確保し、続くレースのファーストスティントの走行距離を確保するとともに、4輪ともニュータイヤに交換したのち、ラップタイムを抑えることでタイヤ摩耗をセーブしていた。

 するとR2ではこの戦略がピタリとはまり、SNS人気投票で使用ドライバーが決定するオーバーテイクボタン、“FUN PUSH”も活用してルーティンピットを前に首位浮上に成功する。

「ブラジル最大のシリーズに復帰して今季で2年目になるけれど、昨日はまったく浮上の手がかりや糸口が見つけられないほどマシンの不調に苦しんでいた。だからこそ、戦略でこんな位置にまで戻ってこられたことが信じられない気分だよ」と、ピケJr.。

 最終的にマウリシオが終盤でナバーロを逆転し1秒193差で勝利を挙げ、ドライバーズランキングでも2位を堅守。そのふたりに続いてピケJr.が3位表彰台を獲得し、フル参戦初年度に続き自身3度目のポディウムに登った。

「この週末、僕らが両方のレースで採用した戦略と、すべての努力に対してチームに心から感謝したい。トップを走るにはまだやるべきことがあるけれど、僕らは毎週少しづつ成長していると思う」とレースを振り返ったピケJr.は、幸運を引き寄せたもうひとつの要因も明かした。

「この週末は父のデザインに敬意を表した新しいヘルメットを投入したんだ。彼もまた、僕に幸運をもたらしてくれたんじゃないか、と感じているよ」

 これで78点とし、帝王カカ・ブエノ(Cimed Racing)に次ぐドライバーズランキング11位に浮上したピケJr.。続くSCB第6戦は、8月10~11日にカンポ・グランデで争われる。