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役員報酬1億円超えの人、過去最多 1位は32億6600万円、ソフトバンクのフィッシャー副会長

2019年07月26日 13:50  キャリコネニュース

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東京商工リサーチは7月19日、「役員報酬1億円以上開示企業ランキング」を発表した。調査は、全証券取引所の上場企業2411社を対象に、今年3月期の有価証券報告書で役員報酬1億円以上を個別開示した企業を集計した。上場区分は7月10日現在。

3月期決算で1億円以上の役員報酬の開示があったのは280社、人数は570人だった。社数は前年同期より40社、人数は32人増加している。この結果、2017年3月期から3年連続で社数・人数の最多記録を更新した。

役員報酬の最高額はソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長の32億6600万円。前年同期(20億1500万円)の1.6倍だった。

32億6600万円のうちほとんどが株式報酬


フィッシャー副会長の報酬の内訳を見ると、基本報酬は3億3900万円だが、株式報酬が29億2400万円(未確定分を含む)。株式報酬が順位を押し上げた形だ。

2位は新日本建設の金綱一男会長で23億4300万円。役員報酬の大半を退職慰労金で占めた。3位は、ソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOで18億200万円。フィッシャー副会長と違い、基本報酬が主体となっている。

4位は武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長で17億5800万円。5位は、2018年11月に有価証券報告書への役員報酬の虚偽記載などで東京地検に逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長で、16億5200万円だった。このうち、12億3700万円は支払繰り延べとなっている。

日産・ゴーン社長の報酬は従業員平均給与の201.9倍

調査では、今年3月期の1億円以上の役員570人の報酬額と、従業員の平均給与を比較した。最も格差が大きかったのは日産のゴーン元会長で、従業員の平均給与(815万4000円)の201.9倍の報酬を受け取っていた。2位は日本調剤の三津原博元社長(報酬額6億6300万円)で、従業員の平均給与(545万7000円)の121.5倍。3位は、ソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOで、従業員の平均給与(1253万3000円)の95.1倍だった。

4位は、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長で82.9倍、5位はアイビー化粧品の白銀浩二社長で67.4倍だった。格差の平均は、報酬額で18.2倍(中央値14.0倍)に対し、報酬総額(基本報酬・賞与以外の報酬を含む)で30.5倍(中央値20.8倍)。基本報酬や賞与以外の報酬が大きいことがわかった。