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Leolaが語る、変わっていく自分と変わらない自分 全国ツアーと2ndアルバムに込めた決意

2019年07月26日 12:22  リアルサウンド

リアルサウンド

Leola

 4月から3カ月連続で「STAY BEAUTIFUL」「After the Rain feat FUKI」「Alright!」というバラエティに富んだ3曲をデジタル配信、アーティストとしての表現の幅を見せつけたLeolaが約2年ぶりとなるフルアルバム『Things change but not all』を8月7日にフィジカルリリースする。デビューから約3年。当初は弱みを見せず、完璧な人間に思われたいがためにかっこつけていたという彼女だが、活動を続ける中で次第に肩の力が抜け、着飾っていた鎧を脱ぎ捨てることができたのだという。結果、最新アルバムにはありのままのLeolaの姿が鮮やかに投影されることとなった。非常に風通しのいい聴き心地の本作に影響を与えた自身の心境の変化とは果たして? アルバムタイトルになぞらえ、“変わっていくLeola”と“変わらないLeola”をキーワードに話を聞いていく。(もりひでゆき)


参考:Leola、全国ツアー『HANGRY!?』初日レポ 「みなさんが聴きたいと思ってくれる歌を」


■自分なりの“ビーチミュージック”が形作られてきた


――Leolaさんからの「はじめまして」の思いが詰まっていた1stアルバム『Hello! My name is Leola.』のリリースから約2年の月日が経ちました。その間、精力的に活動してきたと思うのですが、あらためて振り返るとそれはどんな時間でしたか?


Leola:1stアルバムで気持ち的にひと段落したことで、それ以降は様々なことにチャレンジできた期間だったと感じています。去年の8月には、自分の好きな“オーガニック”や“夏”、“海”といったモチーフにこだわったミニアルバム(『LOVE, LIFE & LAUGHTER」』を作ることができましたし、あまり期間を開けずに新曲を配信していくことでアーティストとしての新陳代謝を良くすることができたりもして。その中で、今まであまりやってこなかった自分の表現に関してもいろいろ模索できたような気がしています。


――そこでどんな手ごたえを得ましたか?


Leola:私は夏のイメージが強いアーティストではあるけど、夏以外にこそ響く曲も聴いてもらいたいとずっと思っていて。そこに関しては、大きなテーマで書かせていただいた「Kissing」や、恋する女の子の気持ちに真っ直ぐ向き合って作った「キミが好きで、、、」のような去年配信リリースした曲たちでしっかり提示することができたのかなと。より感情的な曲は寒い季節に歌った方がいいのかもしれないという気づきがありました。


――そういう意味では、Leolaさんがデビュー当時から掲げている“ビーチミュージック”というコンセプトが広がりを見せている印象もあります。


Leola:そうですね。もっと大きく、広い意味でとらえられるようになってきたと思います。“海”ということだけにとらわれず、“空”や“自然”を感じながら野外で聴きたくなるような音楽をやっていきたい気持ちが今はすごく強まっていて。もちろん海も大好きだから、盛り込める曲には今まで同様にどんどん盛り込んでいきたいと思いますし。なんとなく自分なりの“ビーチミュージック”が形作られてきている実感があります。


――今年の4月からは3ヵ月連続配信リリースという試みもしていますね。


Leola:初めての連続配信だったので、そのスピード感にちょっと戸惑ったりはしたんですけど、でも短期間で幅広い3曲をリリースできたことでリスナーの方々には楽しんでいただけたんじゃないかなと。4月の「STAY BEAUTIFUL」は春を感じるサウンドに乗せて、今の自分のストレートな気持ちを歌ってみました。5月の「After the Rain feat FUKI」は、「キミが好きで、、、」を作った時のマインドに近いんですけど、女の子に届けることを意識して書いた曲だったので、その思いを倍増させるためにFUKIちゃんに参加してもらいました。そして6月の「Alright!」は夏に向けたキックオフ、スタートダッシュみたいな気持ちを込めて作ったアッパーチューンです。この連続配信は自分としても刺激的な経験だったので、トライしてみて本当に良かったです。


――FUKIさんとのコラボはいかがでしたか? Leolaさんがご自身名義の楽曲でフィーチャリングボーカリストを迎えるのは初めてだったんですよね。


Leola:そうなんです! FUKIちゃんとはデビュー当初にイベントなどでご一緒する機会が多かったし、サウンドプロデューサーとしてEIGOさんにかかわってもらってるところも共通してるので、なんとなく近くに感じていたんです。彼女は恋の歌を書くのが上手なので、一緒にやったら“女子×女子”のいい相乗効果が生まれるんじゃないかなと思って今回お願いしてみたんですけど……制作はもうめちゃくちゃスムーズで! 声質も表現の仕方も全然違うんだけど、どこかマインドに似てる部分があるというか。だから1曲としてすごくまとまりのある、おもしろいコラボになったと思います。制作を進めれば進めるほど、FUKUちゃんのことがお姉ちゃんみたいに思えてきて、より大好きになりました(笑)。実はけっこう前にもフィーチャリングで曲を作ろうかって話になったことがあったんですけど、そのときは自分の中に迷いがあったから見送ることにしたんです。時を経て、今回すごくいい形で実現したから本当にうれしいです。


――以前、フィーチャリングに対して迷いがあったのはどうしてだったんでしょうね?


Leola:そこまでのステージに自分自身がたどり着いていない思いがあったんですよ。自分が表現したいものを、まずは自分1人だけでやり遂げたい気持ちが大きかったというか。それが1stアルバムや、その後の配信曲などで形にできた手ごたえがあったから、今回は迷うことなく「やってみよう!」と思えたんです。あと、今年に入ってSPICY CHOCOLATEさんやDJのKSUKEさんにフィーチャリングしていただいたことも大きなきっかけになってると思います。お互いにいい化学反応を起こし、新しい風を吹かせられるのがフィーチャリングの醍醐味なんだということを肌で感じることができたので。その経験をした上で、FUKIちゃんとコラボできたのもすごく良かったと思います。今後もコラボはまたやってみたいです。


■変わらない私もしっかり表現することができれば


――そんなLeolaさんんから待望の2ndアルバムが間もなく届きます。どんな1枚にしようと思って制作に臨みましたか?


Leola:今年に入ってから制作に向けて動き出した形なんですけど、自分の中では平成から令和への改元がすごく大きな意味を持つことになったというか。5月1日に元号が変わった瞬間、心の中がザワザワし始めて、「私も変わらなきゃいけない」とか「強く胸を張ってもっと前に進みたい」という気持ちがすごく強くなったんです。なので2枚目のアルバムは、変わらないLeolaの芯はしっかり見せつつも、ちゃんと次を感じてもらえるような内容にしたいと思うようになったんです。


――なるほど。それが「Things change but not all」(=物事は変わっていくが、すべてが変わるわけではない)というタイトルにもかかっているわけですね。


Leola:はい。1stアルバム以降に発表した楽曲ではいろいろなチャレンジを見せられていたし、ちょうど髪の毛をバッサリ切ったタイミングでもあったので、私の変化は感じてもらえるはず。じゃあ、それに加えて変わらない私もしっかり表現することができれば、きっといいアルバムになるんじゃないかなと。そんな思いを込めてこのタイトルにしました。


――デビューから約3年を経て、自分の中で固まってきた“変わらない芯”とはどんな部分だと思いますか?


Leola:サウンド的にはさっきも言ったように、思わず空を見上げたくなるとか、自然の中に溶け込むような心地良い雰囲気っていうのがひとつの芯になってると思います。あとはポジティブであることかな。今回のアルバムに収録した新曲では自分自身のネガティブな面もさらけ出した歌詞がけっこう入っているんです。そこは今までになかった新しい面ではある。でも、ネガティブな感情を描いた上で最終的にはポジティブなところに着地するのが私らしさだと思うんです。日々を生きていればいろいろ大変なこともあるけど、私の曲を聴くことで「明日からも頑張ろう」と思ってもらえたら。


――ポジティブさはこれまでの楽曲でも大きな魅力になっていたと思うのですが、本作ではネガティブな面をも見せたことでよりリアルな、説得力のあるメッセージになっている印象があります。


Leola:そうだったら嬉しいです。今回のアルバムを作ってみて強く感じたのは、「私は特別じゃない」ということだったんです。今まではわりとニコニコして、ツラいところを見せていなかったけど、私も実はみんなと一緒です。家にいればいろいろな悩みが沸き上がってきて「はぁ……」って気持ちにもなるし、ちょっとしたことでヘコむことだってある。だからこそ、いろんな痛みをわかちあいながらみんなと一緒に前に進んでいきたい、もっとみんなの近くに行きたい……そんな思いを込めてアルバムを作り上げたし、これから先もそういう楽曲を作り続けていきたいと思います。そこがまた自分の芯になっていくように。


――そういうマインドの変化に何かきっかけはあったんですかね?


Leola:去年はわりと制作のほうが多くて、あまりライブができない時期が続いたんです。自分としてはライブをやりたい思いがあったけど、それがなかなかうまく伝えられず、どこかもどかしい気持ちになっていたというか。そのときに思ったんです。自分の見られ方とか、相手の顔色ばかり考えていないで、嫌われてもいいから正直にぶつかったほうがいいんじゃないかなと。今回のツアーはそうやって実現することができたものなんです。「絶対やりたいんです! やらせてください!」って、なりふり構わずお願いしたので(笑)。


――もしかすると、これまでのLeolaさんは本当の自分を隠してかっこつけていたところがあったのかもしれないですね。


Leola:だいぶありました(笑)。こういうイメージで見られたいという思いが強かったんだと思います。だから常にかっこつけて、ニコニコしているだけでした。でも、そんなありのままじゃない自分、かっこつけている自分が恥ずかしくなってきたところもあって。もちろんライブなどのパフォーマンス面でかっこつけるのは全然いいと思うんです。でも、歌詞であったり歌であったりという表現に関しては、もっとナチュラルであるべきだなと思うようになりました。今回のアルバム制作を通して、着飾っていた自分を解放できて本当に良かったと思います。今まではLeolaというアーティスト名と自分の本名の間にはしっかり線が引かれていたと思うんだけど、今はもうその垣根がなくなった気がします。今までの曲にも決して嘘はなかったけど、今の曲たちはもう「まんま私」が出ちゃってると思います(笑)。


■最強のLeolaになっていたい


――だからこそ今回のアルバムは非常に風通しのいい作品になったんでしょうね。さてLeolaさんは現在、全国ツアー『Leola Live Tour 2019 “HANGRY?”』の真っ最中でもあります。各地、熱く盛り上がっているようですね。


Leola:はい! 今回のツアータイトルは、去年に味わったもどかしい感情から生まれた造語で。私の“Hungry”な部分と“Angry”な部分、その両方さえも見せてしまうライブにしようという意味合いになっています。今回のアルバム同様、自分から湧き出たものをそのまま全部出すことで、みんなとの気持ちのぶつけ合いができるライブになっていると思うので、これから遊びに来る方はぜひ楽しみにしていてください。


――一昨年から昨年にかけて開催されたEXILE THE SECONDのツアー『ROUTE 6・6』にコーラスとして参加した経験が、今回のワンマンライブに影響を与えたところもあったのでは?


Leola:ありました! セットリストの組み立て方であったり、お客さんに楽しんでいただくためのいろいろなアイデアだったり、本当にたくさんのことを学ばせていただいて。そこでの経験が今回のツアーには大きく反映されていると思います。「おもしろいかも」と思えたアイデアは積極的にどんどんやってみるようになったので、ツアー中に内容がいい形で変化していくこともあるんじゃないかと思っています。


――ツアーは9月7日の沖縄公演まで続きますからね。


Leola:ツアー初日から新曲もバンバンやっちゃってるんですけど、アルバムがリリースされれば、またみなさんの盛り上がり方にも変化があるんじゃないかなと思っています。それがすごく楽しみです。約4カ月のロングツアーということも含め、自分にとっては挑戦的な意味合いもたくさん含んだツアーなので、武者修行のつもりで頑張って最後まで駆け抜けようと思います。ツアーが終わったときに、「何でもかかって来い!」みたいな最強のLeolaになっていたいです(笑)。(取材・文=もりひでゆき/写真=三橋優美子)