インターコンチネンタルGTチャレンジ/ブランパンGTシリーズの一戦として開催されているトタル・スパ24時間は7月25日、いよいよフリープラクティスから走行セッションがスタートし、プレクオリファイ、そして予選1~予選4、ナイトプラクティスと多くのセッションが行われた。ポールポジションが決まるのは7月26日のスーパーポールだが、この日の予選1~4では、メルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3が暫定ポールを獲得した。
すでにブロンズテストは行われていたが、いよいよ25日から本格的な走行がスタートしたトタル・スパ24時間。今季は72台ものGT3カーが集結する白熱のレースとなっているが、この日は現地時間11時10分からフリープラクティスがスタートし、走行が始まった。気温41℃にもなった酷暑の中で行われたこのフリープラクティス、そして16時15分からのプレクオリファイでは予選に向けたセットアップなどの作業が行われていった。
この日のハイライトは、20時からスタートした予選。このスパ24時間では予選1から4まで15分ずつのセッションが設けられ、各予選でひとりずつドライバーがタイムアタックを実施。その平均ベストタイムでグリッドを決し、上位30台は7月26日に行われるスーパーポールに進出する。
4人ドライバーを登録しているチームだけが走る予選1こそ、コース上のトラフィックはほとんどなかったものの、少しずつ暗くなりはじめ、全チームが出走する予選2からはコース上に全車が一斉に出るため、非常に激しいトラフィックのなかでのアタックが展開されることになった。しかも予選2では、ベルジャン・アウディ・クラブ・チームWRTの17号車アウディR8 LMSがクラッシュ。一度赤旗が出たことから、さらにアタックを困難なものにした。
そんな予選で暫定ポールを獲得したのは、今回グッドスマイル・レーシングとのコラボで映画『プロメア』のカラーリングをまとっているメルセデスAMG・チーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3。予選3でイェルマー・ブールマンが2分19秒231を叩き出し、予選2でマーロ・エンゲルがマークした2分20秒058、予選4でルカ・シュトルツがマークした2分19秒421の平均で、2分19秒570を記録。これで首位に立った。
2番手につけたのは、ドリス・ファントール/アレックス・リベラス/フランク・スティップラー組アウディスポーツ・チームWRTの2号車アウディR8 LMS。3番手にはマキシミリアン・バーク/ルーカス・アウアー/マキシミリアン・ゲーツ組メルセデスAMG・チーム・グループMレーシングの999号車メルセデスが続いている。
4番手には、今回ニック・キャシディが加入しニック・フォスター/ダニエル・セラと組んでいるハブオート・コルサの227号車フェラーリ488 GT3がつけた。5番手にはフレデリック・マコウィッキ/パトリック・ピレ/ニック・タンディ組ローヴェ・レーシングの998号車ポルシェ、6番手にはデニス・リンド/アンドレア・カルダレッリ/マルコ・マペッリ組オレンジ1・FFFレーシングの563号車ランボルギーニがつけ、日本で戦った経験をもつドライバーが上位に入っている。
強豪チームが順当に上位につけるなかで、激しいトラフィックの影響もあり、上位20台が進出できるスーパーポールに進めない有力チームも。ベントレー・チームMスポーツやBMWチーム・シュニッツァーなどがスーパーポール進出を逃してしまった。
そんななか、15番手につけ見事スーパーポール進出を果たしたのは、千代勝正/松田次生/ジョシュ・バードン組35号車ニッサンGT-RニスモGT3。予選2で千代が9番手となる2分20秒293をマークすると、予選3では初のスパながら次生が15番手につける2分20秒203を記録。さらに予選4でバードンが2分20秒234を記録し、きれいに3人がタイムを並べることに。チームも翌日のスーパーポールに向け、明るい表情をみせていた。
一方、トラフィックに苦戦することになったのは、グッドスマイル・レーシング&タイプ・ムーン・レーシングの00号車メルセデスAMG GT3。予選2を谷口信輝が、予選3を片岡龍也が担当。予選4でスパの経験豊富なアダム・クリストドウロウが担当したが、平均タイムは2分21秒047と、僅差のなかで38番手に留まり、スーパーポール進出はならなかった。
ホンダNSX GT3勢は、マリオ・ファーンバッハー/ランガー・バン・デル・ザンデ/ベルトラン・バゲット組ホンダ・チーム・モチュールの30号車が2分20秒900で33番手から決勝を戦うことになった。