FIA国際自動車連盟とSROモータースポーツ・グループは7月25日、トタル・スパ24時間が開催されているスパ・フランコルシャンで、10月31日~11月3日にイタリアのバレルンガで開催されるモータースポーツ版オリンピックと定義づける『モータースポーツ・ゲームス』の詳細概要を発表した。
このモータースポーツ・ゲームスは、FIA国際自動車連盟が主催し、SROがプロモーターを担当するイベント。SROでは、これまでGT3カーによる国別対抗戦『FIA GTネイションズカップ』を開催してきたが、これをさらに発展させ、急速に注目を集める6カテゴリーのレースを開催。それぞれ各国の代表がナショナルカラーに彩られたマシンで戦うというイベントだ。
さらに、今回はバレルンガで開催することにより、ほど近いローマのコロセウムやポポロ広場などを背景に、壮大な開会式を行うとしている。また、各競技では上位3者に金・銀・銅メダルが授与され、各国ごとに総合メダルも用意されるなど、まさにオリンピックの雰囲気を感じさせるイベントだ。
そんなモータースポーツ・ゲームスの各競技についてはすでに発表されていたが、GT、ツーリングカー、フォーミュラ、ドリフト、デジタルモータースポーツ、カートスラロームの6競技で争われる。そのさらなる概要が7月25日、スパで発表された。各競技の項目は以下のとおり。特に、今回フォーミュラはKCMGによって、ハイブリッド搭載の新たなシャシー『KC.MG-01』が用意された。
●GTカップ
GT3カーによって争われ、2名1組のドライバーコンビとなるが、ペアリングはドライバーカテゴライズのブロンズ同士、もしくはブロンズ/シルバーで分類される。1時間レースを2回行い、最後のレースでメダルを決める。
●ツーリングカーカップ
TCRの技術規定に則った車両で争われる。BoPはWSCとの合意に基づき、FIAが定める。2レースが行われ、レース1は最低25分+1周、レース2は最低30分+1周で戦う。レース1ではトップ10が、レース2ではトップ15がポイントを獲得できる。
●フォーミュラ4カップ
スーパーフォーミュラやGT3レース、TCR等でもおなじみのKCMGが、新たにコンストラクターとしてこのイベントに向け、新型のF4シャシー『KC.MG-01』をリリースした。ドライバー頭部保護デバイスのヘイローを装備するほか、F1以外では初めてのハイブリッド機構を搭載する画期的なシャシーとなった。
このカテゴリーでは、『アライブ&ドライブ』というフォーマットが採用され、すべてのマシンはイニシャルセットとタイヤをすべてジュニアフォーミュラでおなじみのハイテックGPが管理。すべてのドライバーとエンジニアで、データが共有される。
●ドリフトカップ
金曜、土曜の夜にバレルンガのメインストレートの一部とターン10~14を利用し、ライトアップして争われる。まずそれぞれ単走で走り、その後の順位付けでノックアウトステージを追走で行う。すべての車両はFIAの安全規則に従う必要がある。
●デジタルカップ
ポリフォニーデジタルがリリースする『グランツーリスモSPORT』で争われる。大型ステージで争われ、上位12名のドライバーがグランドファイナルに進出。レースは実際のFIAレースディレクターとスチュワードの監督の下で開催される。
●カートスラロームカップ
14歳から16歳までのすべての男子・女子に開放されており、ライセンスや経験は不問。リレー形式のパラレルスラロームで争われ、男子・女子のペアを組まなければならない。
以上が『モータースポーツ・ゲームス』の概要だが、日本でもGTカップの選抜会として鈴鹿10時間が設定されるなど、参加の動きがある様子。ただ、この日程はスーパーGT最終戦もてぎと重なっており、SGTドライバーや日本のFIA-F4に参戦しているドライバーは参戦が難しそうだ。ドリフトカップやデジタルカップなどは日本が得意とするカテゴリーだけに、注目のイベントとなるかもしれない。