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『ピュア!』浜辺美波、“腹黒アイドル”役に「共通点はございません!」 東出昌大も絶賛の座長ぶり

2019年07月25日 17:31  リアルサウンド

リアルサウンド

左から浜辺美波、東出昌大

 8月13日から3夜連続で放送される特集ドラマ『ピュア!~一日アイドル署長の事件簿~』(NHK総合)の製作発表記者会見が7月25日に行われ、主演の浜辺美波、東出昌大、制作統括の後藤高久、佐藤毅が登壇した。


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 本作の主人公は、なかなか売れない、ちょっと腹黒いアイドル・黒薔薇純子(浜辺美波)。交通安全や防犯啓発のため、「一日署長」として赴いた警察署で、なぜかいつも殺人事件に遭遇する。そこへ必ず現れる天敵・警視庁捜査一課の東堂刑事(東出昌大)からは邪険に扱われながらも、純子は事件に首を突っ込んでいくことに。凸凹コンビの2人が、たった「一日」で難事件を解決してしまう推理ドラマとなっている。


 作品内の衣装で登場した浜辺と東出。浜辺は、「台本がすごく面白くて、監督をはじめ東出さんやたくさんのスタッフのみなさんに支えられて作品が完成したという感じでした」と撮影を振り返る。東出は、「浜辺さんのお話を聞いていて、どうしてもこの役衣装のイメージが強いのか、この子の言っていることは本心なのか? と疑ってしまうところもあるんですけど(笑)、浜辺さんは人間性含め素晴らしい女優さんで、僕もサポートできればと思い、ひと月かけて全3話を撮りました」とコメント。


 続いて役作りに関して聞かれると、浜辺は「私は腹黒アイドルという役だったんですけど、ただの腹黒というわけじゃなくてちょっと残念な感じだったりとか、売れない理由がみなさんにわかっていただけるようなおバカな感じが見せられたらいいなと思いました」と語り、「共通点はございません!(笑)」と念を押した。


 『コンフィデンスマンJP』などコメディ経験も豊富な東出は、「笑わそうと思った瞬間が映ると、お客さんは絶対笑わないということを意識して、蒔田(光治)さんが書かれた台本通り役の気持ちになって存在することが自然なのかなと思いやっていました」と撮影を振り返る。


 また、浜辺がアイドルを演じる上で参考にしたものを聞かれると、すかさず東出は「内面にあるもの?」と牽制。浜辺は、「自分にはないところです(笑)」と否定し、「衣装合わせのときに監督にすごく細かくいろんな設定をお聞きしたんです。そこから、作り上げていました」と続けた。


 そんな話を聞いた東出は「アイドルの自己紹介のところは台本になくて、監督の演出兼アドリブだったじゃないですか。ああいうところは何を参考になさったんですか?」と、本日急遽登壇した演出の藤原知之に詰め寄る。


 藤原は、「そこから質問が飛んでくるとは」と笑いながら前置き、「アイドルといえばああいうのがあるのかなと思って、色々YouTubeを見て考えたのですが、当日まで思いつかなくて、撮影の1、2時間前に渡したんですよ。フリもあってセリフも長いので、『ごめんね』って言ったら、『これくらい大丈夫ですよ』って言ってくれました」と浜辺を称賛する。


 本作で、一日警察署長として活動する浜辺。印象的なシーンについては「私は売れないアイドルの役だったので、イベントをやっても子どもたちに無視されるんですね。そのときに子ども達が容赦無く無視してきて、なかなか寂しくて辛かったです(笑)」と撮影の秘話を明かす。


 本作の脚本を手がけた蒔田光治は、『TRICK』シリーズなど数々の推理ものを手がけたミステリーの名手。東出は、「蒔田さんとお話ししているときに、古今東西、ミステリーものは浮世離れした人間が出てきても成立するものだとおっしゃっていました。だから今回癖のある共演者の方が多い中で、自分たちも癖のある役をやっていたので、浮世離れしている世界観に連れていけるのかなと思います」と、コメディとサスペンスが融合した本作の魅力について語った。


 そして本作で座長を務めた浜辺について、「『君の膵臓をたべたい』とか他の作品を拝見しても、お芝居を凛としてなさるというのは、可愛さとか天真爛漫さというだけではなく精神的な強さも絶対的に必要な気がするんです。今後、心ないことを言われることもあるかもしれませんが、『それでも視聴者のために』という硬い意志があるから座長をできるんだと思います」と改めて絶賛した。


(取材・文=安田周平)