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日本の製造業に革命を起こす! モノづくり×ITのハンドメイドマーケットプレイス「monomy」のグロース戦略とは

2019年07月25日 07:02  Techable

Techable

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在庫管理や製造、物流など、日本の製造業はある種アナログさが残る業界であり、1個人ではなかなかモノづくりをしたくてもできなかった。そこにテクノロジーを使って誰でも簡単にモノづくりをできるようにしたのがmonomyだ。

スマホだけで、自分オリジナルのアクセサリーを作れてそれをECで販売できる。今回は、monomyを運営する株式会社FUNUP代表の山口氏に、サービスのグロース戦略について話を伺った。
世界一周の旅で考えさせられた「モノの価値」Q1.monomyについて簡単に教えて下さい。

monomy(モノミー)は、誰でもスマホで簡単にアクセサリーが作れるモノづくりプラットフォームです。2019年7月からネットショップとの販売連携も始め、monomyでアクセサリーブランドを作って、他のCtoCのモールでも販売できるようになりました。

アクセサリー含め、ユーザーがモノづくりをするためには部品などの在庫や、物流などのSCM(サプライチェーン・マネジメント)が必要です。しかし、monomyではそれらが一切不要で、ユーザーはスマホからアクセサリーをデザインするだけで、製造のクオリティーでオリジナルのアクセサリーを作ることができます。
Q2.monomyはどのような背景があって開発されたのでしょうか。

私はもともとファッションの専門学校に通っていたのですが、世界のファッション事情を知りたくて世界一周の旅をしました。そこで見たのは「原価は低いのにブランドが価値を出す」という、ある種のファッション業界構造のいびつさでした。

これを見て「自分たちがもっているブランドはどこから価値が出てきているんだろうか」と疑問が湧いてきたのです。当時はちょうどファストファッション勃興期で、伝統的なファッションの価値が揺らいでいる時期でもありました。

他方で世界一周の過程でわかったのは、日本のモノづくりの品質の高さ。例えばラグジュアリーブランドの中には、実は日本で作られているものが少なくありません。そこで日本の品質の高いモノづくりを広げるため、製造の新しい価値化の仕組みを作ろうと思いmonomyを立ち上げるに至りました。
売るモノがつくれるプラットフォームの最大化を目指すQ3.アクティブユーザーを増やすために行った工夫と受注生産型通販の強みについて教えて下さい。

monomyはアクティブユーザーがすごく多いんです。なぜならデザインを共感し合うユーザー同士間のコミュニティーがあるから。ユーザーが新しいデザインのアクセサリーを公開したら、すぐに他のユーザーからlikeされます。それが自分の価値になっていくことので嬉しさを感じ、どんどん新しいアイテムを作ってくれるのです。

またmonomyは基本的に、受注生産でアクセサリーを作っています。つまりユーザーがアクセサリーをデザインして、他のユーザーが商品を購入してからアクセサリーを作るのです。そのため、ユーザーやmonomyは在庫リスクゼロで、最低1個からでも受注を受けることができます。
Q4.monomyはなぜ競合を作らず販売連携を行う事業展開をしているのでしょうか。

先ほども申し上げたとおり、monomyは他のネットショップと連携しています。今でもmonomy上でデザインした商品は、そのままmonomy上で販売可能。しかし、monomyの価値はあくまで自分のブランドのアイテムが「つくれる」ことであって、買い手を集め販売できることではありません。そのため、販売自体は他のプラットフォームで全く問題ないのです。

もちろんユーザーにもメリットがあります。あるアクセサリーを購入したいユーザーは、monomy上でそのアクセサリーを購入しようとすると、もしかしたら新しくmonomyでアカウントを作ったり、クレジットカードを登録したり必要があるかもしれません。しかし、今や広く普及している他のネットショップのアカウントは、すでに保有している可能性が高い。それなら「買う」や「売る」はmonomyではなく、すでに知っているネットショップのほうが楽ですよね。

他方monomyと連携しているネットショップで、すでにオリジナルアイテムを販売しているインフルエンサーには、monomyでアクセサリーをデザインし、自分のネットショップにアイテムを簡単に追加できるというメリットがあります。
Q5.最後に今後の展望について教えて下さい。
私たちはmonomyで個の「売るモノがつくれるプラットフォーム」を最大化していきます。現在も(マイクロ)インフルエンサーがmonomyでアクセサリーをデザイン・販売していて、その支援をしているのですが、今後は支援の幅をさらに広げて、ファンを抱えたインフルエンサーがよりオリジナルブランドを持ち、あらゆる場所で販売しやすい体制をつくっています。

また将来的にはアクセサリー以外に、靴やかばんといったアイテムへ製造工場とも連携し拡大していきたいと考えています。どんな方でもオリジナルブランドが「つくれる」monomyの新しいモノづくりの形を、世に広めていきたいです。
「つくれる」はmonomyで、「買う」や「売る」は他社のECという捉え方は、リソースの最適化を生みサービスグロースに貢献する工夫だと感じた。日本のモノづくりの品質をテクノロジーを組み合わせて新しい市場を作るmonomyの今後の成長に期待したい。
monomy