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トヨタとヒュンダイのWRカーが日本の公道で初バトル。セントラル・ラリー愛知/岐阜に参戦決定

2019年07月24日 14:01  AUTOSPORT web

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セントラル・ラリー愛知/岐阜2019でトヨタ・ヤリスWRCをドライブする勝田貴元
11月7~10日に愛知県と岐阜県を中心に開催されるWRC世界ラリー選手権のテストイベント『Central Rally Aichi/Gifu 2019(セントラル・ラリー愛知/岐阜2019)』にトヨタ・ヤリスWRCとヒュンダイi20クーペWRCの参戦が決定した。現行ワールドラリーカー(WRカー)が日本の公道を舞台に競技走行するのは、これが初めてのことだ。

 セントラル・ラリー愛知/岐阜2019は、2020年開催を目指すWRC日本ラウンド“Rally Japan(ラリー・ジャパン)”の招致準備委員会が中心となり開催するもので、WRCが持つ魅力の周知、大会運営に携わる組織・スタッフの習熟、FIAによる医療査察などが実施されるイベントだ。

 大会は愛知県長久手市にある愛・地球博記念公園を競技の中心“サービスパーク”とし、愛知・岐阜の一般道路や林道、公園を舞台に争われる。

 予定されている競技区間のスペシャルステージ(SS)は全部で14で、合計の走行距離は約150km。路面はターマック(舗装路)となる。移動区間(リエゾン)は約580kmで、SSとリエゾンをあわせた総走行距離は約730kmになる予定だ。

 大会は国際/国内の両格式で行われ、国際格式のオープンクラスはA/R/N/RJが参加可能。ヤリスWRCとi20クーペWRCも、このオープンクラスでの参加となる。国内格式は日本スーパーラリーシリーズの車両や、JRC全日本ラリー選手権の各クラス参戦車両も参戦できるよう調整が進められている。

 2017年に更新された車両規則に則った現行WRカーが、日本国内でラリー競技に参戦するのはこれが初めてのこととなる。

 長久手市出身の勝田がステアリングを握るヤリスWRCは、2017年からWRCを戦っているTOYOTA GAZOO Racing WRTのマシン。参戦初年度から2勝を挙げるパフォーマンスをみせると、2018年にはトヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献、2019年もすでに3勝を挙げており、現行WRカーのなかで最速とも言われる1台だ。

 そして、これが“初来日”とも言えるi20クーペWRCは、ドイツに拠点を構えるヒュンダイ・モータースポーツが作り上げたWRカー。2019年はすでに2勝を挙げており、第8戦終了時点でチームをマニュファクチャラーズランキング首位に押し上げている車両となる。

 勝田は「このたびセントラル・ラリー愛知/岐阜2019にヤリスWRCで出場することとなり、TOYOTA GAZOO Racing WRTをはじめ関係者の皆さまに感謝しております」とコメントしている。

「僕自身も日本の道をWRカーで走れることにとてもワクワクしています。日本でのヤリスWRCの走りを、ラリーファンの皆さまはもちろん、まだラリーを知らない方にも、多くの方に見ていただきたいです。ぜひ会場に足を運んでください!」

 i20クーペWRCについて、参戦するドライバーはアナウンスされていないものの、チームのアンドレア・アダモ代表は「本イベントは、私どもにとってはターマックラリーを理解する良い機会であり、Rally Japanオーガナイザーの皆さんにとっては2020年へ向けて絶好の準備の機会となるでしょう」と大会参戦に向けてコメントした。

「アジア市場を極めて重要と位置付けている我々には、戦略的にも有意義なイベントです。また、アクセスの良い場所での開催ということで、韓国からのファンも多く訪れてくれることを期待しています」

 セントラル・ラリー愛知/岐阜2019では、競技を観戦できるエリアなども整備されるとのことだが、その詳細や観戦方法、チケットなどについては、決定次第アナウンスされる。

 最新WRカーが日本の一般道を競技速度で初走行するセントラル・ラリー愛知/岐阜2019。ラリーファンならずともチェックしておきたいイベントとなりそうだ。

■Central Rally Aichi/Gifu 2019(セントラル・ラリー愛知/岐阜2019)
●概要(2019年7月時点)
競技会名 Central Rally Aichi/Gifu 2019
開催日時 2019年11月7日(木)~10日(日) ※競技は9~10日
開催場所 愛知県長久手市 愛・地球博記念公園(サービスパーク/HQ)を起点とする愛知県内、岐阜県内の一般道路、林道および公園
格式 国際格式、国内格式
主催 MSCC/TMSC/M.O.S.C.O./SAN’S

●競技会参加クラス
オープンクラス
国際格式部門 A/R/N/RJ
日本スーパーラリーシリーズ(JRC) 4WD/2WD
国内格式部門 R/RJ/RPN/AE/RF

●競技コース
開催地 愛知県岡崎市、豊田市、新城市、長久手市、設楽町 岐阜県恵那市
距離 約150km(14SS合計)/約580km(リエゾン) 合計約730km
路面 ターマック