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被写体バイト「お客さん」が彼氏に…別れたら「ギャラ返せ」と言われた

2019年07月24日 11:21  弁護士ドットコム

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「#被写体募集」「 #撮影モデル募集」。インスタグラムでは、こんなハッシュタグがついた投稿が数十万件アップされています。多くは一般女性のポートレート写真につけられており、撮影者がモデルを募集するだけでなく、被写体となるモデル自身がこのハッシュタグをつけてカメラマンを募っていることもあるようです。


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一方、こうした被写体募集をめぐって、トラブルも起きています。



弁護士ドットコムには、お金をもらって被写体モデルをしていた女性から「お客さんから多額の請求をされている」という相談が寄せられています。



女性は「お客さん」だったカメラマンの男性と付き合うことになりました。その後も、自宅に行っては被写体として写真を撮られ、ギャラをもらっていました。しかし、別れることになった途端、男性から「ギャラを返せ」と80万円を請求されたそうです。



女性は「貰ったギャラは返せない、いくら貰ったか証明もできない」と話していますが、相手は聞く耳を持ってくれません。女性はお金を返さなければならないのでしょうか。福田慎也弁護士に聞きました。



●返済する必要はない

お金を返さなければならないのでしょうか。



「状況からすると、ギャラを返済する法律上の義務はないと考えられます」



なぜでしょうか。



「受領したギャラは被写体となるという労務提供の対価ですので、交際の継続または終了とは無関係に支払われたものといえ、特に返済する必要はありません。



仮に、返済する義務が生じるとすれば、そもそもギャラではなく返済を約束した貸金であったなど、返済すべき法律上の理由が必要です。そして、この返済を求める法律上の原因については、返済を求める側が立証すべきことです。今回の状況からすれば、返済するべき法律上の原因を男性は立証できないと考えられます。



法律上の理由がない金銭授受であるとして不当利得の返金を求めるという法律構成もありえますが、経緯を考えれば、そのような主張は通らないと考えられます」



●やりとりは保存を

こうした男女トラブルで気をつけるべきことはありますか。



「この種のトラブルでは『騙された』『慰謝料を求める』など、言いがかりに近い金銭請求がなされたり、脅迫や恐喝行為に発展することもあります。男女間の感情のもつれが契機となっていることも多く、当事者同士の協議では解決が難しいものです。



正論で反論しても相手が納得せず、執拗な請求が続くようであれば、早めに弁護士に相談されたほうが良いでしょう。また、言った・言わないの争いになりがちですので、メールやSNSなどの男性とのやり取りの記録は、削除せずに証拠として保存しておくことが望ましいです」




【取材協力弁護士】
福田 慎也(ふくだ・しんや)弁護士
東京都北区赤羽において男女・離婚分野に注力して、浮気・離婚協議・子連れ別居・DV対応など、事件内容の難易度を問わず、広く同分野の問題解決に取り組んでいる。

事務所名:ブラスト法律事務所
事務所URL:http://blast-lawoffice.com/