ハースのロマン・グロージャンは、前戦イギリスGPに続いて、今週末の第11戦ドイツGPでも開幕戦オーストラリアGP仕様の空力パッケージを使用する。グロージャンはこのセットアップについて、彼の『VF-19』により高い安定性を与えてくれると感じているという。
イギリスGPでは開幕戦仕様の空力パッケージを使用していたグロージャン。というのも、彼は第5戦スペインGPでのアップデートに不満があり、第8戦フランスGPと第9戦オーストリアGPでのレースパフォーマンスが芳しくなかったからだ。
しかしながら、チームメイトのケビン・マグヌッセンは既存のアップグレード版パッケージを継続することになり、ハースはシルバーストンで2台の仕様を分けて、マシンの空力データを収拾しようとしていた。
ハースの比較作業は今週末、ストレートでのスピードとダウンフォースが重要となるドイツGPでも継続されることになる。
「バルセロナでアップグレードを持ち込んだが、金曜日の夕方には元に戻すことを望んでいた」とグロージャンは説明した。
「特に中速から高速コーナーでリヤエンドの感触があまり良くなかった。それ以降、それらのコーナーでの感触が悪くなった」
「メルボルンでのパッケージに戻したら、マシンの感触はそういうコーナーでいっそう良くなった。このことは、予想していたとおり、何かがうまくいっていなかったことを示している」
「空力担当のスタッフが調査をしているところだけど、それが僕たちの弱点であることは分かっている。もちろん、開幕時のパッケージには制限もある。ダウンフォースが少ないんだ。でもより高い安定性がある」
■ハースF1、マグヌッセンのマシンにはさらなるアップデートを導入へ
ハースは、少なくともマグヌッセンのマシンに2つ目の主要アップデートパッケージを導入する予定だ。ホッケンハイムでパッケージを分けるハースの実験は、シルバーストンと比べるとさらにいっそう対照的なものになるだろう。
「マシン上のパーツをいくつか変更した。我々がターゲットにしているのは、ひとつの具体的な領域ではない」とチーム代表のギュンター・シュタイナーは語った。
「概して我々は、より優れていて操作性が良く、速さを発揮するのに役立つようにダウンフォースが強化されたマシンを作っている」
「タイヤの挙動もより良くなるように取り組んでいる。それが今の時点で我々ができる最大の改善点だ。タイヤを適切な温度領域に収めることは、ダウンフォースと大きな関わりがある」
「我々は置かれた状況を改善するために多くの取り組みを行っている。自分たちの立ち位置を理解し、何がうまくいかなかったのかを理解する必要がある。それが我々がやらなければならないことだ」
イギリスGPは、ハースのドライバーたちにとって残念ながら1周目の時点で失敗のレースとなった。グロージャンとマグヌッセンの接触は、最終的に2台のマシンに救いようのないダメージを与え、チームの空力実験も限られてしまい、シュタイナーを激怒させた。
マグヌッセンは、サマーブレイク前のドイツGPとハンガリーGPの連戦において、ハースが多くのポイントを獲得できるチャンスがあることを期待している。
「シーズン前半を好結果で終えることができたらとても素晴らしいだろう」とマグヌッセンは語った。
「だけどもちろん現実的な期待を持って、できるだけ早く高いレベルのパフォーマンスを出せるように努力し、学び、理解するという目標に集中する必要がある」