7月20日、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ2019年シーズン第2戦バルセロナ4時間レースがスペイン、カタロニア・サーキットで行われ、ディフェンディングチャンピオンであるGドライブ・レーシングの26号車アウルス01・ギブソン(ロマン・ルシノフ/ジャン-エリック・ベルニュ/ヨブ・バン・ウィタート組)が総合優勝を飾った。
ル・マン24時間を間に挟んだことで5月に行われた第2戦モンツァ以来、約2カ月ぶりの開催となったELMS。シーズンの折返しを迎えた今戦はバルセロナでのサンセットレースとして行われた。
決勝日の午前に実施された予選の結果は、IDECスポーツの28号車オレカ07・ギブソンがLMP2クラスに参戦する全18台中、唯一1分32秒台に入る1分32秒765をマークしてポールポジションを獲得。これに1分33秒358を記録したクール・レーシングの37号車オレカ07が続き、3番手に王者Gドライブがつけた。
18時30分にスタートが切られた決勝ではスタートから45分後、このレース中に計4回出されたフルコースイエロー(FCY)のうち最初の1回の間にピットストップを行った26号車アウルスがトップに浮上する。
前戦モンツァで今季初優勝を挙げたGドライブは、ルシノフから今季新加入のウィタート、そしてフォーミュラEとの日程重複のため第1戦と第2戦を欠場していたジャン-エリック・ベルニュへとバトンをつなぎながらこの順位を堅持。
2番手につけていたデュケイン・エンジニアリングの30号車オレカ07に対して、約40秒のリードがある状態でアンカーを任されたフォーミュラE王者はその後、この差をさらに広げ、最終的に2位以下をラップダウンにしてトップチェッカーを受けた。この結果、チームは2連勝でランキングポイントのリードを広げるとともに、ベルニュ自身も今季のELMS初優勝を達成した。
4回目のFCYから残り時間60分あまりで迎えたリスタートの時点で、ベルニュに次ぐ2番手を走っていたリチャード・ブラッドレー駆る30号車オレカは最終盤にペースを失い4位にポジションダウン。これをコース上で交わしたグラフの39号車オレカ07が2位に。3位にはニコラ・ラピエール擁する37号車オレカが入った。クール・レーシングはこれがチーム初ポディウムフィニッシュとなっている。
ポールポジションからスタートしたIDECスポーツは、Gドライブと遜色ないレースペースをみせながらも、序盤にピットレーンの速度違反によるドライブスルーペナルティを受けたほか、終盤にはスピンを喫したことで5位に終わった。
■LMGTEクラスはフェラーリ勢がトップ4を独占
LMP3クラスは2018年シーズン2位となり、2019年のル・マン24時間にも参戦したインターユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P3・ニッサン(マーティン・ヒッペ/ナイジェル・ムーア組)が今季初のクラス優勝を飾った。
トップと11秒差のクラス2位はアルティメットのノルマM30・ニッサン、その7秒後方でチェッカーを受けたユナイテッド・オートスポーツの2号車リジェJS P3・ニッサンが同3位となっている。
LMGTEクラスではフェラーリ勢が躍進をみせ、ポルシェ勢を圧倒した。優勝したルジッチ・レーシングの51号車フェラーリ488 GTE Evo(アレッサンドロ・ピエール・グイディ/ニクラス・ニールセン/ファビアン・ラベーニュ)以下、JMWモータースポーツの66号車、スピリット・オブ・レースの55号車、ケッセル・レーシングの83号車が続き、跳ね馬がトップ4を独占。
対するポルシェ勢はチーム・プロジェクト1が走らせる56号車ポルシェ911 RSRのクラス5位が最上位となっている。
ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ2019年シーズン後半戦の第1ラウンドとなる次戦第4戦は8月31日、イギリス・シルバーストンでの開催。4時間レースとして争われる同ラウンドはWEC世界耐久選手権との併催イベントだ。