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Pixel 4の前面デザイン画像がリーク ToFセンサー実装&ジェスチャーコントロール実現か?

2019年07月23日 07:31  リアルサウンド

リアルサウンド

画像出典:phoneArena「Accessory for Pixel 4 series hints at exciting new feature for Google's upcoming phones」より

 Pixelシリーズや『Google Home』をリリースしたことによって、ハードウェアメーカーとしての存在感を増したGoogle。今回は、そんな彼らが開発する最新スマホの画像がリークした。その画像を見ると、近年のスマホのデザイントレンドを犠牲にしてまで実装しようとしている、あるカメラ技術の存在がうかがえる。


(参考:Google「トロント・スマートシティ計画」が物議 “未来のユートピア”か、それとも“実験場”か?


・謎の太いベゼル


 スマホ専門ニュースメディア『phoneArena』は21日、『Pixel 4の前面デザイン画像がリークしたことを報じた。スマホ関連の情報を数多くツイートするTwitterユーザー「Ice universe」がリークした画像を見ると、『Pixel 4』の前面にはノッチがなく、太いベゼルが確認できる(トップ画像参照)。近年のスマホのデザイントレンドは、可能な限りディスプレイを大きくするために、ノッチを廃してベゼルも細くするという傾向があった。一見すると、『Pixel 4』はこうしたデザイントレンドに逆らっているようにみえる。そして、太いベゼルのなかには各種カメラやセンサーが実装されると思われる部分もある。


 リーク画像の下部に注目すると、ホームボタンが廃されていることから、ロック解除には顔認証かディスプレイ内蔵型指紋認証のどちらかが採用されると予想される。わざわざカメラを実装する部分を大きく確保していることから、顔認証の実装がやや濃厚といえるだろう。


 なお、背面デザイン画像については、今年1月にGoogleがツイートを介して公開している(ツイート「https://twitter.com/hashtag/Pixel4?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw」参照)。その画像を見ると、2台のリアカメラと何らかのセンサーが実装されることがわかる。また、リアカメラ実装部分が大きな正方形をしているところが『iPhone 11』のデザインと酷似している。


・ToFセンサー、あるいは「Project Soli」か


 『Pixel 4』の特徴といえる太いベゼルとカメラ実装部分に関して、前出の『phoneArena』の記事では、「ToFセンサーを実装するのではないか」と推測している。ToF(Time of Flight)センサーとは、赤外線ビームを照射して検知対象にビームが到達するまでの時間を測定することによって、立体的な座標情報を高精度に検知するというもの。ToFセンサーを実装すると、例えばユーザーの顔を検知して高精細な3Dオブジェクトを生成することができるうえ、ユーザーのバーチャルな顔をリアルな画像と合成するAR体験が可能となる。今年のGoogle開発者会議で検索機能に3Dオブジェクトを表示するAR機能を発表したように、同社はARにも注力していることから、ToFセンサー実装によるAR体験の強化は説得力のある予想である。


 『phoneArena』の記事では、「Project Soli」という名前でその存在が知られているジェスチャーコントロール実装の可能性もあると述べている。Project Soliに関しては、同メディアが2月にGoogleが特許を取得したことを報じている。その記事によると、この技術はセンサーからビームを照射することによって、ディスプレイの前で動いている手の動きを検知するものだ。この技術を使えば、ユーザーはディスプレイに触れずに手のジェスチャーだけでスマホを操作できるようになる。Project Soliで語られる技術は、止まった対象を検知するToFセンサーに比べてより難易度の高い技術だといえる。


 ベゼルを太くしてまで実装部分を確保している『Pixel 4』には、以上のToFセンサーかジェスチャーコントロールのどちらか、あるいは両方が実装される可能性が高い。


・アンビエントコンピューティングという提案


 ところで、一部からは「iPhoneキラー」とも称されるPixelシリーズをリリースし続けることによって、Googleはどこに向かおうとしているのか。この疑問に対しては、テック系メディア『The Verge』が5月に公開した記事が参考になる。この記事では、Googleのハードウェア部門を率いるRick Osterloh氏にインタビューして、同社のハードウェア事業の核心に迫っている。


 同氏は、同社のハードウェアのラインナップは将来的にはひとつのコンセプトのもとに統一されると考えている。その統一コンセプトは、「アンビエントコンピューティング」(アンビエント[ambient]は「周囲の」「環境の」という意味の英単語)と呼ばれる。このコンセプトはコンピューティング機能を「持ち運ぶ(モバイル)」ことを超えて、ユーザの周囲をコンピューティングで取り囲むことを意味する。もっと具体的に言えば、Google Home、Pixel、そしてGoogle Nest HubといったGoogleハードウェア製品で常時ユーザを支援することを目指しているのだ。そして、こうしたハードウェアを連携させるものとして機能するのがGoogleアシスタントだ。ユーザーは、近くにあるGoogleハードウェアに対して話しかければ何らかのレスポンスがいつでも返ってくるというわけである。


 アンビエントコンピューティングというアイデアから見れば、Pixelシリーズはその一角を担うものに過ぎない。そして、このアイデアを推進することで、Googleは同社が考える新しいライフスタイルを提案しようとしているのだろう。(吉本幸記)