レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、セバスチャン・ベッテルはフェラーリを去り、別のチームでやり直すべきであると主張した。
ベッテルはレッドブル・レーシングで4年連続でタイトルを獲得した後、2015年にフェラーリに移籍。フェラーリとともにチャンピオンになるという夢を掲げ、2017年と2018年にランキング2位を獲得したが、いまだメルセデスに勝てずにいる。
2018年は大きなチャンスが訪れたシーズンだったが、チームとベッテル自身にミスが続き、今年も開幕前はチャンピオン最有力候補とみなされたものの、再び完璧な仕事ができず、第10戦終了時点で未勝利だ。カナダGPでベッテルはトップでチェッカーを受けたが、コースオフした後の復帰の仕方に問題ありとしてペナルティをとられて降格。イギリスGPではマックス・フェルスタッペンとのバトルのなかで彼に追突し、ノーポイントに終わった。
マルコは、ベッテルに必要なのは、環境を変えること、つまりフェラーリを離れて別のチームに行くことであると主張する。ただし、フェラーリとの現契約は2020年末までであり、来年移籍するのは難しいと、マルコは考えている。
「自分自身でいられない状態だとミスを犯すものだ」とマルコはAuto Bildに対して語った。
「無意識のうちにそういうことが起こる」
「セバスチャンは違う環境に身を置くべきだ。つまり、別のチームに行った方がいい。とはいえ、2020年にそのチャンスはないだろうが」
■フェラーリ代表は「ベッテルは今、ハッピー」と主張
現在レッドブルで走るフェルスタッペンは、ベッテルが昨年からしばしばミスを犯していることを不可解に感じている。
「レッドブル・レーシングにいたころの彼は、ほとんどミスをしなかった。走り方を忘れるはずはない。フェラーリに行ってから、なぜこういうことが起こり続けるのだろう」
レッドブル時代にベッテルと働いた経験を持つスポーティングディレクター、ジョナサン・ウィートリーは、フェラーリから十分なサポートを受けていないのではないかと推測している。
「セバスチャンは極めて知的で繊細で、温かい心を持った人間だ」とウィートリーは言う。
「彼が妻や子供にどれほどの愛情を注いでいるかを見ればそれが分かる。シルバーストンでのチャーリー・ホワイティングに捧げるスピーチも素晴らしかった」
「ミハエル・シューマッハーやフェルナンド・アロンソはどんな状況でも力を発揮できる。だがセバスチャンは彼らほどタフな人間ではない」
「セバスチャンは無条件のサポートを得ていることを実感できなければだめなドライバーだ。レッドブルでは全面的なサポートを得ていたが、今のフェラーリではそうではないのだろう」
フェラーリ代表マッティア・ビノットは、跳ね馬とともにタイトルを獲りたいというベッテルの気持ちは今も全く変わっていないと主張している。
「セバスチャンは今、とても満足していると思う」とビノットは、イギリスGPの週末にコメントした。
「マシンのパフォーマンスがもっと優れていて、優勝できる状況なら、もっとハッピーなのは間違いないがね。それでも今も勝利に対する意欲は失われていない。フェラーリとともに勝つというのが、彼の夢であり、特別な目標なのだ」
「彼は完全にコミットし、強い関心を持って、将来を見ている。それは間違いない」