2019年のWRC世界ラリー選手権にTOYOTA GAZOO Racing WRTから参戦しているヤリ-マティ・ラトバラは、サマーブレイク中は「ラリーのことは考えないようにしている」と言い、シーズン後半からの復調に自信をみせた。
トヨタがWRCに復帰した2017年からチームの一員として活躍しているラトバラだが、2019年シーズン前半はクラッシュやトラブルなどにより苦戦。ベストリザルトは第1戦モンテカルロと第5戦アルゼンチンで獲得した総合5位に留まっており、ランキングでも10位に沈んでいる。
ラトバラは2018年シーズン前半も同様の苦戦を強いられたが、サマーブレイク明けにはラリー・オーストラリアでの勝利もあわせ計4度の表彰台フィニッシュを飾るなど、調子を取り戻した。
2019年シーズン後半からの復調を誓うラトバラは、WRC公式サイト『WRC.com』に対し、頭をリセットさせるため「この夏は極力、ラリーのことを考えないようにしている」とコメントしている。
「夏の間に過ごす別荘を新しくして、今はそこで過ごしているんだ。なるべくラリーの話題から遠ざかるようにも心がけている。頭をすっきりさせるにはベストなやり方だし、(ラリーから遠ざかることは)今の僕に必要なことなんだ」
「シーズン前半戦は本当に難しい戦いだった。今は(ラリーと)距離をおいて、(サマーブレイク明け初戦の)ラリー・フィンランドからもう一度、コンディションを整えていきたい」
ランキング首位のオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)はもちろん、新加入のクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)にもランキングで負けているラトバラだが、シーズン後半での巻き返しには強い自信をみせる。
「(シーズン前半も)ヤリスから速さを引き出すことはできていたし、スピードという点に問題はなかった。他の問題に正しく対処する必要があるんだ」とラトバラ。
「この前半戦は運に恵まれないことも多かったし、何度かミスも犯してしまった。(前半の苦戦は)そういったことが重なってしまった結果なんだ」
「例えば(サマーブレイク突入前の)ラリー・イタリアでは総合首位走行中に、自分でも信じられないようなミスでマシンをロールさせてしまった。思わず『こんなふうに横転するなんてありえない』と言ってしまったけど、横転は現実だった」
「このサマーブレイクは僕にとっていいものになっている。今月始めにはドイツやフィンランドでテスト走行もしたけど、それ以外のときは別荘のサウナルーム作りなど、ほかのことで頭がいっぱいだったし、リラックスできたよ」
サマーブレイク明け初戦となる8月1~4日開催のWRC第9戦フィンランドは、ラトバラにとって母国凱旋、同国にファクトリーを構えるトヨタにとってもホームイベントとなる1戦だ。