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男性の育休、最大の壁は「収入ダウン」? とりたくてもとれない、さまざまな事情

2019年07月21日 12:01  弁護士ドットコム

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みなさんは男性の育休について、どう考えていますか?


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最近は、化学メーカー大手のカネカに勤めていた夫が、育休復帰直後に転勤内示を受けたとつぶやいた妻のツイートが話題になったり、アシックスに勤め育休を取得した男性社員が「パタハラ」にあったとして裁判を起こしたりしています。



弁護士ドットコムニュースがLINEで「男性の育休についてどう思うか」と呼びかけたところ、「少なくとも出世を諦めることにはなる」「不公平だから絶対育休とってほしい」など、さまざまな声が寄せられました。



●上司「育休取得、考え直せ」

夫が育休取得を相談したところ、上司が「考え直せ」と執拗に迫ったーー。生後1カ月の子どもがいる東京都の30代女性は「将来への不安を煽る行為に悲しみ、怒り、絶望を覚えました」と打ち明けます。



女性の夫は家事育児にとても協力的で、「少しでも子どもと過ごす時間を作りたい」と出産予定日の数カ月前から上司に育児休暇取得を相談していました。



しかし、上司は「育休ほんとに取るの?奥さんの家族は協力してくれないの?育休取るなら将来の昇進に響く可能性があるけどほんとにいいの?育休じゃなくて有休消化で取ればいいんじゃないの?」などと執拗に尋ね、申請書を受理してくれませんでした。



女性は労基署に匿名で相談。それが影響したのかどうかは分かりませんが、結果的に部長の許可が降り、夫は育児休暇を1カ月取得しました。



「直属の上司は所謂団塊世代の人間なので子育てに参加したことがないのだと思います。男性の育休はまだまだ定着していませんが、だれもが育休を取得できるなら、わたしたちのように家族の絆を深めるきっかけとなり、そのような場を下さる会社に強い信頼を抱けると思います。同時に義務化しないと取得できない日本が悲しいです」



●2004年に育休取得「当時は社会が疲弊していなかった」

男性の育児休業日数は、「5日未満」が56.9%と最も高く、1カ月未満は8割を超えています(「平成27年度雇用均等基本調査」)。



そんな中、2004年に1年間の育児休暇を取得したという新潟県の50代男性は「当時は社会が今ほど疲弊しておらず、同僚や上司の協力で実現できました」と振り返ります。



男性の分の仕事は、上司や同僚が仕事を引き継いだり、分担したりしてくれました。しかし、現在の状況を見ると、「人事関係部署の実績稼ぎでとるものに変わっているように感じる」とも言います。



「母乳で1年育てたあと、父親が育児に専念できる最後のチャンスでした。これがどれほど大切なことか、理解できない男性は父親になることを再考すべきと思います。誰かに責任を負わせることばかりが今の社会の憂うべき状況ではないでしょうか」



●「少なくとも出世を諦めることになる」

社員数千人規模の製造業に勤める50代男性は「うちの会社では取ろうと思えば取れますが、実際に取った社員はいないし、少なくとも出世を諦めることにはなりますね」と話します。



休みを取る人間に冷たいという雰囲気は決してないものの、短期でも完全に仕事から離れれば、他の優秀な社員に抜かれていく。



「競争がそれだけ激しい」世界だそう。さらに、収入の問題も考えるべきだと言い、「時短や育休をいくら義務化しても、収入が担保されなければ話になりません」と話します。



●育休「有給であればとっていたかもしれないが…」

育休中、多くの企業では給料が発生しません。育休中は雇用保険から育児休業給付金が支給され、最初の半年はおよそ給料の67%、7カ月目からは50%が支給されます。皆さんは、これを多いと捉えますか、少ないと捉えますか。



家計のことを考え、金銭的な理由で育休取得をしなかったという40代男性もいました。1歳の娘がいるという男性は「有給であればとっていたかもしれませんが、せいぜい3ヵ月位かなぁ」と話します。



6月には自民党の議員有志が「男性の育休『義務化』を目指す議員連盟」を発足。育休義務化についても議論されていますが、男性は「義務化するのであれば、給与がもらえる有給休暇のような形であって欲しい」とこぼします。



●女性「育休義務化、切に願う」

女性からは育休義務化に賛成する意見が届きました。



「赤ん坊を産むのも育てるのも女ばかり、不公平だから絶対育休とってほしい」。東海地方に住む40代女性は、夫が育児家事を一切しないなどの理由で離婚しました。男性の育休義務化には賛成だと言います。



また、中国地方に住む30代女性も「育休義務化はとてもありがたく思います」と話します。妊娠35週で重症の妊娠高血圧症候群を発症し、母子ともに危険な状態になりました。



しかし、夫が働く会社は、出産時の休暇すら取りにくい雰囲気でした。女性は「主人がもし育児休暇をとってくれていたら、もう少し産後の後遺症も軽く済んでいた可能性もあったのではないかと思います」と振り返り、育休義務化を切に願っています。



皆さんは、どう思いますか。コメント欄で意見をお寄せください。